
更新日:2025/12/25
もうすぐお正月。
「おせち料理」と聞くと、何品もぎっしり詰まった豪華な重箱を思い浮かべる人は多いでしょう。
豪華なおせちに憧れはあるけれど、実際は作るのも買うのも大変。
しかも、せっかく用意しても 食べきれずに余ってしまう──そんな声もあります。
もともとのおせちはそんなに品数が多いものではありませんでした。
古くから日本では、「祝い肴三種」ー 数の子・黒豆・田作り(地域によってはたたきごぼう)が、おせちの基本とされてきました。
この3品さえあれば、昔ながらの意味をきちんと押さえた、立派なおせちが出来上がり。
この記事では、そんな“昔ながらの祝い肴”を軸に、関東・関西それぞれの基本セットをわかりやすく紹介します。
御節の意味をおさえて、無理なく、そして気持ちよく新年を迎えましょう。
そもそもおせち料理とは?
おせち料理とは、新しい一年の幸せや健康、五穀豊穣を願って食べる正月料理のこと。
もともとは「御節供(おせちく)」と呼ばれ、節句など“季節の節目”に神様へ供えた料理が起源とされています。
その中でも、特にお正月は一年で最も重要な節目とされ、お正月の料理を特におせち料理と呼ぶようになりました。
おせち料理の特徴
- 新年の幸せ・健康・豊作を願う料理
- 保存食として三が日を家事せずに過ごすための知恵でもある
- 重箱に詰めるのは「めでたいことを重ねる」という意味
なぜ元旦に食べるのか
厳密な決まりはありませんが、年神様を迎える“祝い膳”として元旦にいただくのが一般的とされてきました。
地域の風習によっては、大晦日からおせちを楽しむところもあります。
なぜ「おせちは3品で十分」なのか
● 食べきれない問題が深刻
家族構成が変わり、昔のように10品以上のおせちを食べきれる家庭は少ない。
3品なら無理なく食べきれる。
● おせちは“縁起物の象徴”であって品数勝負ではない
本来のおせちは、年神様を迎えるための保存食。
象徴的な料理が少しあれば十分成立する。
● 3品なら準備が圧倒的にラク
1品だけ手作り、残りは市販品でもOK。
忙しい年末でも負担が少ない。
地域で違う「おせち3品」の定番
「祝い肴三種」「三つ肴」といわれるのは、3つ。
この3品をそろえるだけで、伝統的なおせちが完成します。
おせちは全国共通のようでいて、実は地域によって“当たり前”が違う。
特に象徴的なのが 関東と関西の違い。
関東版:おせち3品セット
① 数の子(子孫繁栄)
おせちの象徴。黄色が映えて華やか。
② 黒豆(まめに暮らせる)
甘くて食べやすく、市販品でも安定。
③ 田作り(ごまめ)

関東では「田作り」、関西では「ごまめ」と呼ばれる同じ料理。(カタクチイワシの甘辛煮)
五穀豊穣を願う縁起物で、祝い肴の中心的存在。
→ この3品で“関東のおせち”として十分成立する。
関西版:おせち3品セット
関西では、関東とは少し違う祝い肴文化が根付いている。
① 数の子(子孫繁栄)

関西でも人気の高い定番。
② 黒豆(まめに暮らせる)
甘さ控えめを選ぶ家庭も多い。
③ たたきごぼう(開運)

関西では田作りよりもこちらが主役。
ごぼう=根を張る → 家が安定するという意味があり、酢とごまの風味でさっぱり食べられる。
→ この3品がそろえば“関西のおせち”として成立する。
3品でも見栄えを良くするコツ
3品でも“ちゃんとしたおせち”に見えるのは、色のコントラストが強いから。
- 小さめの重箱やタッパーに詰める
- 仕切りを使って余白を作る
- 数の子(黄)・黒豆(黒)・田作り/ごまめ or たたきごぼう(茶/白)で色バランスが整う
- 南天やみかんの葉を添えると一気に映える
おせちまとめ

「祝い肴(いわいざかな)」3品を紹介しました。
- 関東:数の子・黒豆・田作り(ごまめ)
- 関西:数の子・黒豆・たたきごぼう
この3品がそろえば、どちらの地域でも立派なおせちになります。
九州では関東ほど“祝い肴三種”の文化は強くありませんが、田作り(ごまめ)を入れる家庭は多いかなと思います。
あとはお好みの料理を加え、奇数の品数にすれば縁起もよい”我が家なりのおせち”が出来上がり。
忙しい現代だからこそ、無理せず、食べきれる量で“縁起”を整えるのがちょうどいいかもしれません。
良いお年を。






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