
更新日:2026/11/02
2026年11月2日、日本の災害対策の司令塔となる「防災庁」が発足した。
発足にあわせて政府は全国民に対し、防災対策の徹底を呼びかける緊急要請を行った。
要請内容は決して特別なものではない。
- 家具の固定や住宅の耐震化
- 飲料水や食料の備蓄
- ハザードマップの確認
- 避難場所・避難経路の確認
- 非常持ち出し品の準備
- 防災訓練への参加
いずれも以前から重要とされてきた対策ばかりだ。
だが、この緊急要請を見ていて一つ気になったことがある。
多くの人は防災というと、まず水や食料の備蓄を思い浮かべる。
しかし、人が生き延びるための優先順位は必ずしもそうではない。
災害時は何が一番大事なのか
防災の世界には「3・3・3・3の法則」と呼ばれる考え方がある。
※防災庁や政府が示している公式な防災指針ではなく、生存に必要な優先順位を覚えやすく整理した目安の一つ。
生存に必要な期間が短いものほど緊急度が高いため、優先順位は次のようになる。
3分:呼吸・酸素
呼吸ができない状態や窒息、建物倒壊による埋没などは、わずか数分で生命の危険につながる。
災害が発生した直後に最も重要なのは、水でも食料でもなく、まず呼吸できる状態を確保することである。
3時間:体温維持
次に重要なのが体温だ。
豪雨災害や冬場の避難では、濡れた衣服や寒さによって低体温症になる危険がある。
山岳遭難でも、まず必要になるのは食料ではなく体温維持だ。
防寒具や毛布、レインウェアなどは、食料より先に命を守ることがある。
※気になる人はこちらの記事もぜひ。
>> 【遭難】山で人が死ぬのはなぜ?命を守る登山の鉄則「滑落と低体温症」の危険
3日:水分補給
水がなければ生きていくことは難しい。
一般的な目安として、1人あたり1日3リットル程度の飲料水が必要とされる。
最低3日分なら9リットル、できれば1週間分の備蓄が望ましい。
また、災害発生後72時間は「72時間の壁」とも呼ばれ、人命救助において重要な目安とされている。
※2人分の3日間に必要な備蓄用飲料水は、合計18リットル(2リットルのペットボトルでちょうど9本分)です。
3週間:食料
意外かもしれないが、食料の優先順位は水の後だ。
もちろん食事は必要だが、水が確保できる状況であれば、人は食料がなくても一定期間生存できるとされている。
この法則では、その目安を3週間としている。
そのため防災では、まず水、次に食料という考え方になる。
防災庁の要請
防災庁は緊急要請の中で、耐震化や家具固定を最初に挙げている。
3・3・3・3の法則で考えると、生存に必要なものには優先順位がある。
備蓄は生き残った後の数日間をつなぐものだが、家具の固定は最初の数秒から数分を生き延びるためのものだ。
そのため、防災対策では家具の固定や配置の見直しが先になる。
命に直結するものほど先に対策しておくべきである。
災害予告ではない
防災庁発足と緊急要請を受けて「何か大きな災害が近いのではないか」と不安になる人もいるかもしれない。
しかし、今回の要請は特定の災害発生を示唆するものではない。
政府は、防災庁発足を機に事前防災を徹底し、国民一人ひとりの防災意識を高めてほしいと呼びかけている。
むしろ今回の緊急要請は、災害への備えを見直すきっかけと考えるべきだろう。
まとめ

防災庁が発足しても、大規模災害の現場で最後に自分を守るのは自分自身である。
その時に参考になるのが、生存の優先順位を整理した「3・3・3・3の法則」。
3分で呼吸。
3時間で体温。
3日で水。
3週間で食料。
防災庁発足の日に見直したいのは、防災リュックの中身だけではない。
・寝室の家具が固定されているか
・避難場所や避難経路を家族で共有しているか
・最低3日分の水や食料が備蓄されているか
防災は命を守る順番を知ることから始まる。
自分自身と大切な人の命を守るために。





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