
更新日:2025/12/19
「光陰矢の如し」(こういんやのごとし)
早いもので、もうすぐ2025年(令和7年)も終わりですね。
「一年があっという間に過ぎる」「若い頃より時間が早く感じる」
多くの人が経験するこの不思議な感覚。
実は心理学・脳科学・生理学の研究で説明できる現象です。
本記事では、記憶の密度・代謝リズム・脳の内部時計という科学的視点から、年齢とともに時間が短く感じる理由を紹介します。
「帰り道が短く感じる不思議」も同じ理由から説明できます。
時間の流れを意識して、より良い人生を過ごす上で参考になれば幸いです。
記憶の密度が時間の長さを決める

●出来事が多いほど時間は長く感じる
「海馬」は新しい出来事を強く記憶します。
旅行や新しい体験が多い日は「長く感じる」のに、ルーチンの日は「あっという間」なのはこのためです。
年を重ねると、新しい出来事を「理解し慣れる」ことで、1つ1つを「出来事」として認識しなくなります。
●年齢と新奇性の減少
若い頃は新しい体験が多く記憶密度が高い → 時間が長く感じる。
年齢を重ねると生活が安定し新奇性が減る → 時間が短く感じる。
脳の内部時計と神経科学的根拠
- 脳には秒・分単位を測る「内部時計」があり、ドーパミンや覚醒度に影響されます。
- 加齢でドーパミンが減少すると「時間が早く過ぎる」と錯覚しやすくなります。
- 海馬に存在する「時間細胞」が出来事の記憶と結びつき、時間認識に直接関与していることが研究で確認されています。
代謝リズムと一日の体感時間
●朝の10分は短く感じる:
起床直後は代謝が立ち上がり途上で、タスクに追われ注意が分散 → 「気づいたらもう10分経っていた」。
●夕方の10分は長く感じる:
代謝が安定し、疲労や待機状態で時間を意識しやすい → 「10分が長い」と感じやすい。
コルチゾールやセロトニンなどホルモンの変化も時間知覚に影響。
体感時間を「伸ばす」方法
- 毎日「初めて」を1つ加える(新しい道、食事、学び)。
- 成果物を残すことで一年を長く感じられる。
- 起床後の10分を単一タスクに集中させると「長く」感じやすい。
- 夕方の10分を小分けにして能動的に過ごすと「短く」感じやすい。
帰り道が短く感じる理由
■現象:同じ距離・時間でも「帰り道の方が短く感じる」不思議。
■原因:
- 行きは未知の道で予測が立たず、注意が分散 → 長く感じる。
- 帰りは既に経験済みで予測可能性が高く、脳が「処理を簡略化」 → 短く感じる。
- 目的地到達後の安心感が心理的負担を軽減し、時間を圧縮して感じさせる。
つまり、身体的な疲れよりも「脳の認知(認識)」が大きく関係していると考えられています。
FAQ
Q: なぜ年齢とともに時間が早く感じるのですか?
A: 新しい体験が減り記憶密度が低下すること、脳の処理速度やドーパミンの変化が関係しています。
Q: 朝と夕方で同じ10分が違って感じるのはなぜ?
A: 朝は代謝が立ち上がり途上で注意が分散しやすく短く感じ、夕方は安定・待機で長く感じます。
Q: 帰り道が短く感じられるのはなぜ?
A: 帰りは既に経験済みで予測可能性が高く、脳が処理を簡略化するためです。
時間の流れまとめ
時間の流れが年々早く感じられる理由を紹介しました。
- 記憶密度:出来事が多いほど時間は長く感じる。
- 脳科学:内部時計や時間細胞が時間認識を支える。
- 代謝リズム:朝は短く、夕方は長く感じる。
- 年齢効果:新奇性の減少と脳の処理速度変化で「年々早く感じる」。
- リターントリップ効果:帰り道は予測可能性と安心感で短く感じる。
時間の体感は心理・脳科学・生理学の総合結果です。
2025年はあなたにとってどんな年だったでしょうか。
意識的に新しい体験を取り入れ、記憶密度を高めることで「一年を長く感じる」ことは可能です。
家事や仕事だけでなく、ワクワクするような思い出をたくさん作ってみませんか。
・ブロガー:2021年9月ブログ開設
・フリーランス:2021年早期退職しサイドFIRE





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