更新日:2023/12/30
いよいよ今年も残りわずか。
元旦は初詣に出かける人も多いと思います。
初詣とは、新年を迎え初めて神社やお寺にお詣りすることを指します。
人々が初詣をするようになったのは明治以降です。
そしてより多くの人が初詣を行うようになったのは、
鉄道網が発達し、鉄道会社が行ったキャンペーンの結果です。
初詣に行ったときに、どうすれば良いのか戸惑ったことはないですか。
参拝の作法やお賽銭を納める時の順番はどうすれば良いのか?
いろいろ調べた結果、鈴を鳴らすタイミングとお賽銭を入れる順番に厳格な決まりはありません。
そこで今回は初詣に関するいろいろな作法やマナーをまとめました。
ぜひこの記事を読んでから、初詣にお出かけ下さいね。
よいお年をお迎えください。
初詣はいつまでに行けば良いの?
決まりは無いけど、松の内までがしきたり。
初詣の由来は?いつから始まったの?
平安時代にあった「年籠り(としごもり)」という風習が由来と言われています。
年籠りは、大晦日の夜から元旦の朝にかけて家長が神社に籠って、
新しい年の豊作や無病息災を夜通しで祈願すること。
この年籠りは、大晦日の夜に行う「除夜詣(じょやもうで)」と、
元旦にお参りをする「元日詣(がんじつもうで)」の2つがあり、
「元日詣」が現代の初詣となって伝わっていると考えられています。
初詣はいつまでに行けば良いの?
いつまでというはっきりとした決まりはないようです。
お正月はもともと、新年の神様である「歳神様」を家に迎える行事です。
家々に幸せをもたらしてくれる歳神様が家に降りてくるときの目印として「門松」が、
歳神様を迎えるのにふさわしい神聖な場所であることを示すために「注連縄飾り」が、
歳神様へのお供え物として「鏡餅」が飾られました。
初詣は、歳神様がいらっしゃる「松の内」の間に行くのが一般的。
「松の内」とは、玄関前に門松を立てておく期間を言い、
関東地方などでは元旦から7日まで、関西地方では15日までを指すことが多いようです。
松の内が無理なときは、節分までにはお参りした方が良いでしょう。
初詣はどこに行くの?
参拝は神社でもお寺でも構いません。
日本古来の神道には「氏神さま」という考え方があり、
初詣は地域の神様にお参りするのが良いとされています。
もし自分が生まれ育った実家近辺の神社にお参り出来れば、それがベスト。
難しければ、近所にあった神様と同じ神様をお祀りしている神社が良いみたい。
そのあとで、合格祈願に「太宰府天満宮」にお参りするといったやり方でも問題ありません。
寺も菩提寺(自分の家が檀家となっている寺)があるなら、まずそこに参拝しましょう。
三社参りって何?
三社参りとは、名前の通り初詣に3つの神社をまわること。
全国的なものではなく、九州・福岡や中国地方に伝わる風習です。
「三社参り」はもともと鎌倉時代、源頼朝(みなもとのよりとも)が
「箱根神社」「伊豆山神社」「三嶋大社」を奉拝したのが始まりとされます。
福岡定番三社参り「太宰府天満宮」「筥崎宮」「宮地嶽神社」
福岡で三社参りが行われるようになったのは、江戸時代。
福岡・黒田藩の武士たちも「住吉神社」「日吉神社」「筥崎宮」に「三社参り」をしたと言われています。
さらに戦後、神社・鉄道会社・旅行会社が連携して「太宰府天満宮」「筥崎宮」「宮地嶽神社」の三社を回るキャンペーンが行われ、「三社参り」が広まっていきました。
お参りする神社も期間も特にルールはありません。
※太宰府天満宮初詣情報はこちら。
>>【太宰府天満宮2024】初詣アクセスは?駐車場、臨時ダイヤ、混雑状況
初詣どんな服装が良い?
時に決まったドレスコードはありません。
神社とは神様がおわすところ。
華美なものや肌の露出の多い服装は避け、少し改まった服装がベターです。
初詣神社の参拝手順
1)鳥居をくぐる
鳥居は、俗界と神様のいる聖域との境を示すもの。
鳥居は15度ほど腰を曲げ軽く一礼し、鳥居の真ん中は神様が通る道なので、
中央を避けてくぐります。
2)身を清める
手水舍(ちょうずや、ちょうずしゃ、てみずしゃ、てみずや)
読み方もいろいろあります^^;
手水所(ちょうずしょ)で心身を清めてから拝殿へ向かいます。
1.まず右手で柄杓を持って水を汲み、左手にかけて左手を清めます。
2.次に柄杓を左手に持ち替えて、同じように右手を清めます。
3.再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を受け、その水を口にふくんですすぎます。
(このとき、柄杓に直接口をつけないようにしましょう)
4.すすいで口を清めた後、左手で口元を隠してそっと吐き出します。
5.口をすすぎ終えたら、もう一度水を左手にかけます。
6. 最後に水を入れた柄杓を立て、柄に水を流してから柄杓置きに伏せて置きます。
覚えるポイントは清める順番です。
左手、右手、口、左手、柄杓(ひしゃく)の順。
1~6までを、柄杓1杯の水で行いますので最初にお水をいっぱい汲みましょう。
ハンカチを忘れずに。
もともとは、川や海に入ったり、水やお湯を浴びたりして身を清めていました。
それが段々と省略されていき、今の形になったとか。
3)お参り
鈴を鳴らしてお賽銭を納める
問題は、鈴を鳴らした後、おさい銭を納めるのか、お賽銭を納めた後、鈴を鳴らすのか。
調べた範囲では、どっちも有りでそれぞれ半分ぐらいに分かれてます^^;
では、なぜ鈴を鳴らすのか。
鈴を鳴らすのは、それによって神様に気づいてもらうという意味もありますが、
「鈴祓い」といって、鈴の清々しい音色を神様にお供えして神様の御心をお慰めし、
参拝する方も清らかな心になるためです。
ですから両手で縄を持ち、遠慮しないでしっかりと音が出るように振りましょう。
だとすれば、まず鈴を鳴らして自分を祓い清め、お参りの気持ちを整えた方が理にかなっているというのが私の結論です。
お賽銭はいくらが良いの?
お賽銭は“お供え”するものなので、そっと入れるのがいいでしょう。
お賽銭は「お願い料」ではなく「感謝の気持ち」としてお供えするものであり、
また穢れをはらって身を清めるという意味もあるようです。
金額が多いか少ないかということは関係ないので、無理のない範囲内で納めましょう。
縁起が良いといわれるお賽銭の金額は
・5円(ご縁がありますように)
・5円玉2枚(重ね重ねご縁がありますように)
・11円(いいご縁がありますように)
・15円(十分なご縁がありますように)
・20円(二重に縁がありますように)
・5円玉4枚(良いご縁がありますように)
・25円(二重にご縁がありますように)
・5円玉8枚(末広にご縁がありますように)
・41円(始終いい縁がありますように)
・45円(始終ご縁がありますように)
・50円(十倍のご縁がありますように)
・115円(良いご縁がありますように)
・125円(十二分なご縁がありますように)
・415円(良いご縁がありますように)
・485円(四方八方からご縁がありますように)
・500円(百倍のご縁がありますように)
・1万円(円満に通じますように)
お好きな額でどうぞ。
縁起の悪い避けた方が良いと言われているのは
・10円玉1つ ・・・ 願い事と遠縁(10円)になる
・500円玉1つ ・・・ これ以上の効果(硬貨)はない
二拝二拍手一拝の作法
「二拝二拍手一拝」はひとつの流れなので、一気に行います。
姿勢を正して拝礼(腰を90度に曲げ、頭を下げる)を2回行う。…二拝。
次に両手を胸の高さで合わせ、右手を少し下にずらして、二度拍手を打ちます。
指先を揃え、目を閉じてお参りし、最後に深く一拝して終了です。
お願いごとやお祈りはいつするの?
「二拝二拍手一拝」はひとつの流れで、途中でお願い事をいれるかどうかは神社によって異なります。
初詣は行列ができている場合が多いので、あまり時間をかけるのも気が引けます^^;
そこで二拝二拍手一拝で参拝を終えたら、次の人へ順番を譲ります。
端に寄ってから、ご自身が頭を下げて、
いろいろなことを念じたり、お祈りすると良いそうです。
その時はまず心の中で自分の住所と名前を神様に告げて、1年間の報告やお礼をしましょう。
もっとも大切なのは神様への感謝を伝えることです。
その上で新たな願い事と祈りを捧げます。
あれもこれもとお願いするよりは、
ぜひとも叶えたい願い事を一つ祈願するといいでしょう。
引いたおみくじはどうするの?
おみくじは神仏からのありがたいメッセージ。
お参りしたことに対する神様からの返事なので参拝後に引きます。
おみくじを引く時は、引く前に質問を心の中で唱えてから引きましょう。
最初に飛び込んで来た文字、直感で目に留まった文字を
キーワードとして頭の片隅に入れておきましょう。
吉凶にかかわらず、おみくじを境内の指定の場所に結んでも、
大切に持ち帰って1年間のお守り代わりにしても良いそうです。
結ぶ場合は、「神社と縁を結ぶ」という意味合いがあります。
ひいては神様と縁を結び、「物事を良い方向に導いていただけるように」
との願いが込められています。
持ち帰った場合は、1年経過したあとにお焚き上げするか指定された場所で結びましょう。
4)鳥居をくぐって出る
参道を通って鳥居をくぐり(端を通る)、
鳥居を出たところで一礼して神社の敷地から出ます。
初詣の後は、寄り道をせずまっすぐ家に帰る方が良いとされます。
初詣お寺の参拝方法
1)山門で拝礼
一礼してくぐる。
寺の参道はどこを通っても良いようです。
2)身を清める
神社の作法と同じです。
常香炉があれば、煙で身体を清めます。
3)お参り
本尊と相対し、賽銭を入れます。
寺でのお賽銭は、お布施であり、欲や執着を捨てるための修行の一つです。
投げ入れるのではなく、そっと入れましょう。
静かに手を合わせ合掌。
本尊の前に南無を入れて3回唱えると良いそうです。
例えば「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
日蓮宗系なら、「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」
※宗派によって異なりますので、お寺にご確認下さい。
南無はサンスクリット語で「私は帰依します」という意味で
阿弥陀仏に帰依します。妙法華経に帰依しますという意味になります。
最後に深く一礼して戻ります。
初詣まとめ
初詣の参拝手順を中心に、誰もが疑問に思うことを解説しました。
初詣は「松の内」に行くのが一般的ですが、いつまでと言う明確な決まりはなく、
都合の良いタイミングで参拝しましょう。
今では当たり前になった「二礼二拍手一礼」の作法ができたのは、明治大正にかけて。
仏教に「信は荘厳より起こる」という言葉があります。
立派なお堂を見て信仰心が起こるという意味。
作法がある方が形から入りやすいし、型があったほうが納得するし、真面目にできる。
だからそういうマナーが仮のモノとしてできた。
私たちはどうしても作法だったり、手順だったり形式的な事が気になりますが、
お賽銭と鈴を鳴らす順番はどちらが先、という決まりはなく、
一般常識を守れば大きな問題ありません。
お願いの仕方にも本来決まったやり方はありません。
心の中で自分が神様と対話をすればOK。
作法よりも気持ちを入れて、心を込めてお参りする事が大事です。
元気にお参り出来る今に感謝しつつ、新しい年をスタートさせましょう。
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