
更新日:2025/12/11
政府が物価高対策として打ち出した「お米券」政策。
しかし福岡市はこれを見送り、下水道料金を2カ月無料にする施策を選びました。
理由は明快で、500円のお米券を配るために60円の手数料が差し引かれ、実際に市民が受け取れるのは440円分の米に過ぎないからです。
しかも使える店舗は限られ、事務コストも膨らむ。
これでは生活者支援としての効果が薄いのです。
今回の記事ではお米券の問題点を紹介します。
自分の住む市町村ではどうなのか、ぜひご確認ください。
福岡市の判断
●お米券を拒否:「非効率で市民に届きにくい」として配布を見送り。
●代替施策:下水道料金を2カ月無料にすることで、ほぼ全世帯に恩恵が届き、事務コストも最小限。
●公平性:単身者や多様な家計にもフラットに支援が行き渡る。
お米券の欠陥

●中抜きコスト:500円券に対して60円の手数料。国民の手に届く前に税金が目減り。
●用途の限定:米にしか使えず、店舗も限られる。生活全体の物価高対策としては不十分。
●公平性の歪み:自治体ごとに対応が異なり、住む場所によって支援の有無が変わる。
利益誘導の構造
- 発行団体は2つ:「全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)」と「JA全農」。
- 利益確保:額面500円のうち60円が発行団体の収益源となる。
- 政策の歪み:生活者支援という名目でありながら、実際には特定業界への利益誘導として機能。
- 生活者より業界優先:困窮する家庭に届く額が減る一方で、発行団体には安定した収益が保証される。
米価政策との矛盾
建前
政府は「米の価格は需要と供給の市場に委ねる」と説明してきた。
実態
お米券を配布することで、消費を人工的に刺激し、米の価格を下支えしようとしている。
矛盾点
市場原理に任せると言いながら、実際には業界保護のために税金を投入している構造。
福岡市長の批判
「コストに対して問題意識持って」
鈴木憲和農林水産大臣への批判

- 過度な“お米券推し”:物価高は食品全般に及ぶのに、米だけを特別扱い。
- コスト軽視:現場からの「非効率」という声に耳を傾けず、弁明に終始。
- 利益誘導の疑念:お米券発行団体に利益が集中する仕組みを温存。
- 市場原理との矛盾:米価は市場に任せると言いながら、実際にはお米券で価格を下支えする二枚舌。
鈴木憲和大臣の略歴
- 生年月日:1982年1月30日、東京都出身
- 学歴:開成高校 → 東京大学法学部卒業
- 官僚時代:2005年に農林水産省へ入省。品目横断的経営安定対策など農政の中枢に関わる。
- 政治転身:2012年に退官し、山形県第2区から衆議院議員に初当選。以降5期連続当選。
- 役職歴:外務大臣政務官、復興副大臣、農林水産副大臣などを歴任。
2025年10月に第73代農林水産大臣に就任。 - 地盤:山形県第2区は米どころであり、農業票を基盤にしている。
お米券まとめ
お米券の問題点を紹介しました。
鈴木憲和大臣は、農水官僚出身・米どころ選挙区・業界票依存という三重の背景を持ち、政策も「業界寄り」と批判されています。
一言で言えば、農水族議員、農水官僚、JA農協による「政官業トライアングル」の利権構造。
お米券政策はその象徴であり、生活者支援よりも全米販やJA全農への利益誘導が優先されていると批判されるのは当然でしょう。
小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任し、コメ政策における「増産」への転換を掲げたにもかかわらず、後任の鈴木憲和農林水産大臣は、従来の「需要に応じた生産」という表現に戻しています。
福岡市のように、低コストで公平性が高く、暮らしに直接届く支援を優先すべきでしょう。
・ブロガー:2021年9月ブログ開設
・フリーランス:2021年早期退職し、バリスタ(サイド)FIRE





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