
更新日:2026/09/29
2026年9月29日、ANAは「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の新制度を再設計した内容を公表した。
4月の初回発表では、SFC会員のラウンジ利用を 年間300万円決済の有無で二分する案 が示され、利用者から強い批判が起きた。
今回の再設計版では、この批判点に対して一定の修正が加えられています。
本記事では、炎上の理由 → 再設計版の変更点 → 今後の問題点 を順に解説します。
1. 炎上の発端:SFC LITEは「ラウンジ利用不可」
ANAは2026年4月、SFC会員を以下の2区分に分ける新制度案を発表した。
- SFC PLUS:ANAカード年間決済300万円以上
- SFC LITE:300万円未満
問題は、SFC LITEはラウンジ利用不可とされた点である。
SFCは「一度取得すれば半永久的にラウンジを利用できる」という前提で広く認知されており、多くの利用者がラウンジ目的にSFCを取得していた。
この前提が突然崩れたことで、強い反発が生じた。
2. なぜここまで批判が殺到したのか
これまでのSFCは、一度条件を達成すれば、年会費を払い続けるだけでラウンジ利用などの特典を半永久的に受けられることが最大の魅力だった。
しかし当初案では、長年フライト実績を積み上げて取得したステータスにもかかわらず、カード決済額で選別される内容となっており、多くの利用者が強い不満を示した。
批判の中心は以下の点だった。
① 搭乗実績ではなく「決済額」
SFCは本来、飛行機に乗った実績で得るステータスだった。
長年のフライト実績より、クレジットカードの利用額が優先されるのは、制度の根本と矛盾し、納得できない。
② ラウンジ混雑対策として不適切
海外ラウンジまで利用できなくなるのは改悪が大きい。
③ 永久特典の前提
これまでの前提が後から変更された。
ANAは制度の公表前にTV番組に協力し、「一度取得すれば特典が続く」という印象を広く浸透させていた。
ANAはラウンジ混雑の解消を目的としていたが、既存利用者の反発は想定以上で、ANAホールディングス社長は株主総会で謝罪に追い込まれた。
3. ANAは9月に再設計版を発表
批判を受け、ANAは6月に再検討を表明。
9月29日に新しい再設計案を公開した。
当初案の「300万円未満は一律ラウンジ利用不可」という内容は撤回され、SFC LITEでも条件付きでラウンジを利用できるように緩和された。
● 国内線ラウンジ
- 混雑していなければ入室可能
- 混雑時は利用できない場合がある。
- 将来的に事前予約制を導入予定
● 国際線ラウンジ
- 羽田・成田・ホノルルのANAラウンジは従来どおり利用可能
● 大きな制限
SFC LITEは スターアライアンス・シルバーに格下げされるため、 海外の提携ラウンジは利用不可。
5. 結局どうなる?
| 項目 | 従来制度 | 2026年4月案 | 2026年9月案 |
|---|---|---|---|
| ラウンジ利用 | ○ | × | △ 国内線:混雑時を除き利用可 国際線:利用可 |
| SFCマイル特典 | ー | × | × |
| スターアライアンス ステイタス | ゴールド | シルバー | シルバー |
- 国内線ラウンジ:空いていれば入れる
- 国際線ANAラウンジ:従来どおり利用可
- 海外提携ラウンジ:利用不可
- 年300万円決済ルールは維持
6. 今後の問題点
SFC LITEの国内線ラウンジは「混雑時を除き利用可」という条件付き運用になる。
この仕様は、制度が始まった後に次の問題を生む。
● 1. 利用可否が事前に分からない「不確実性」
ラウンジの空席状況は、保安検査を抜けて受付に到着するまで分からない。
ビジネス客にとっては、「ラウンジでデスクワークを行う」前提のスケジュール管理や出張計画が成立しなくなる。
● 2. 朝・夕方のピーク時間帯はほぼ利用不可
羽田や伊丹などの主要空港では、朝(7〜9時)と夕方(17〜19時)に混雑のピークを迎える。
つまり、ユーザーが最もラウンジを使いたい時間帯ほど、300万円未満の会員は利用できない。
● 3.「混雑基準」の不透明さ
混雑の具体的な数値基準(座席占有率など)が非開示の場合、入場制限の判断は現場スタッフの裁量に委ねられる。
受付で断られたユーザーは、自分が「格下(LITE)」として扱われた事実をその場で突きつけられる形となり、不快感を抱く。
● 4. 「事前予約制」の運用による格差の固定化
将来的に事前予約制が導入されても、予約枠の配分や優先順位が不透明な場合、「実質的に予約が取れない層」が固定化し、名ばかりの特典となる 懸念がある。
● 5. ステイタス格下げによる国際線での不利益
スターアライアンス・シルバーへの格下げにより、海外の提携航空会社が運営するラウンジは一律で利用不可となる。
国内線以上にラウンジの価値が高い国際線利用者にとって、従来より大きな不利益を受ける。
7. まとめ
今回の制度再設計により、「SFC LITE」の国内線ラウンジは「混雑時を除き利用可」という条件付き運用となった。
国際線については、ANAグループ運航便に搭乗する場合のみ、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用できる。
それ以外の空港や海外提携ラウンジは、シルバーのため利用できない
新制度は「決済額による区分」という大枠を維持しつつ、ラウンジ利用不可の実害を一定程度緩和した形となった。
一方で、ラウンジ利用の不確実性やピーク時間帯での利用困難、断られた際の不快感など、ユーザーが直面する課題は残されている。




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