
更新日:2026/10/07
2026年9月29日、ANAは「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の新制度を再設計した内容を公表した。
4月の初回発表では、SFC会員のラウンジ利用を 年間300万円決済の有無で二分する案 が示され、利用者から強い批判が起きた。
今回の再設計版では、この批判点に対して一定の修正が加えられたものの、300万円未満の会員にとっては依然として厳しい内容となっている。
本記事では、炎上の理由 → 再設計版の変更点 → 今後の課題 を順に整理し、なぜ「300万円未満は年会費の価値なし」と言えるのかを解説する。
1. 炎上の発端:SFC LITEは「ラウンジ利用不可」
ANAは2026年4月、SFC会員を以下の2区分に分ける新制度案を発表した。
- SFC PLUS:ANAカード年間決済300万円以上
- SFC LITE:300万円未満
問題は「SFC LITE」はラウンジ利用不可とされた点である。
SFCは「一度取得すれば半永久的にラウンジを利用できる」という前提で広く認知されており、多くの利用者がラウンジ目的にSFCを取得していた。
この前提が突然崩れたことで、強い反発が生じた。
2. なぜここまで批判が殺到したのか
これまでのSFCは、一度条件を達成すれば、年会費を払い続けるだけでラウンジ利用などの特典を半永久的に受けられることが最大の魅力だった。
しかし当初案では、長年フライト実績を積み上げて取得したステータスにもかかわらず、カード決済額で選別される内容となっており、多くの利用者が強い不満を示した。
批判の中心は以下の点だった。
① 搭乗実績ではなく「決済額」
SFCは本来、飛行機に乗った実績で得るステータスだった。
長年のフライト実績より、クレジットカードの利用額が優先されるのは、制度の根本と矛盾し、納得できない。
② ラウンジ混雑対策として不適切

海外ラウンジまで利用できなくなるのは、改悪が大きい。
混雑対策としても関係がなく、利用者の不利益だけが増える結果となっている。
そもそも混雑が深刻なのは羽田・伊丹など一部の主要空港であり、地方空港の混雑は限定的で、対策としての合理性は低い。
③ 永久特典の前提
これまでの前提が突然変更された。
ANAは制度の公表前にTV番組に協力し、「一度取得すれば特典が続く」という印象を広く浸透させていた。
ホームページにも「会員である限り永続的に享受できるプレミアムな特典」と記載されていた。
※今も掲載されています。
ANAはラウンジ混雑の解消を目的としていたが、既存利用者の反発は想定以上で、ANAホールディングス社長は株主総会で謝罪に追い込まれた。
3. 9月に再設計版を発表
批判を受け、ANAは株主総会の前日である6月25日に再検討を表明。
9月29日に新しい再設計版を公開した。
当初案の「300万円未満は一律ラウンジ利用不可」という内容は撤回され、SFC LITEでも条件付きでラウンジを利用できるように緩和された。
● 国内線ラウンジ

- 混雑していなければ入室可能
- 混雑時は利用できない場合がある。
- 将来的にラウンジ事前予約制を導入予定
● 国際線ラウンジ
- 羽田・成田・ホノルルのANAラウンジは、ANAグループ運航便に搭乗する場合に限り、従来どおり利用可能
改悪点
SFC LITEは スターアライアンス・シルバーに格下げされるため、 海外の提携ラウンジは利用不可。
手荷物優先受け取りや優先チェックインカウンターも利用出来なくなる。
4. 結局どうなる?
| 項目 | 従来制度 | 2026年4月案 | 2026年9月案 |
|---|---|---|---|
| ラウンジ利用 | ○ | × | △ 国内線:混雑時を除き利用可 国際線:利用可 |
| SFCマイル特典 | ー | × | × |
| スターアライアンス ステイタス | ゴールド | シルバー | シルバー |
- 国内線ラウンジ:空いていれば入れる
- 国際線ANAラウンジ:従来どおり利用可(羽田・成田・ホノルル)
- 海外提携ラウンジ:利用不可
- 年300万円決済ルールは維持
判定期間:2026年12月16日~2027年12月15日
実地時期:2028年4月1日
5. 今後の課題
SFC LITEの国内線ラウンジは「混雑時を除き利用可」という条件付き運用になる。
この運用は、新制度が始まった後に次の課題を生む。
1. 利用可否の不確実性
ラウンジの空席状況は、保安検査を抜けて受付に到着するまで分からない。
ビジネス客にとっては、「ラウンジでデスクワークを行う」前提のスケジュール管理や出張計画が成立しなくなる。
2. 混雑時利用不可
羽田や伊丹などの主要空港では、朝(7〜9時)と夕方(17〜19時)に混雑のピークを迎える。
さらに、お盆・年末年始・ゴールデンウィークなどの繁忙期も利用できない可能性が高くなる。
つまり、ユーザーが最もラウンジを使いたい時ほど、300万円未満の会員は利用できない。
3.「混雑基準」の不透明さ
混雑の具体的な数値基準(座席占有率など)が非開示の場合、入場制限の判断は現場スタッフの裁量に委ねられる。
「混雑時を除く」という曖昧なルールのため、ユーザーは利用可否を予測できず、不要なストレスを抱え続けることになる。
もし、受付で断られた時は、自分が「格下(LITE)」として扱われた事実をその場で突きつけられる形となり、屈辱を味わう。
4. 事前予約制
将来的に事前予約制が導入されても、予約枠の配分や優先順位が不透明な場合、「実質的に予約が取れない層」が固定化し、名ばかりの特典となる 懸念がある。
さらに、利用のたびに予約手続きが必要となり、手間だけが増える。
5. スターアライアンスステイタス格下げ
スターアライアンス・シルバーへの格下げにより、海外の提携航空会社が運営するラウンジは一律で利用不可となる。
さらに、手荷物優先受け取りや優先チェックインカウンターも利用出来なくなる。
国内線以上にラウンジの価値が高い国際線利用者にとって、従来より大きな不利益を受ける。
海外旅行での価値はほぼゼロ
6. ANAの試算では会員の「6割」がLITE(格下げ)
ANAが公表した試算では、新制度の適用によって「SFC PLUS(300万円以上)」に到達できるのは全体の約4割にとどまり、残りの約6割は「SFC LITE(300万円未満)」に分類される見込みとなっている。
つまり、既存会員の過半数以上が「決済額に満たない」という理由で、LITEへと格下げされると想定されている。
但し、日本人の平均年収は487万円であり、年収分布の中央値は413万円にとどまるため、LITEに格下げされる割合は6割を超える可能性が高い。
決済額300万円を満たさない会員にとっては、LITEで運用するか、カードを解約するかの二択となる。
7. SFC結論

今回の制度再設計により、「SFC LITE」の国内線ラウンジは「混雑時を除き利用可」という条件付き運用となった。
国際線については、ANAグループ運航便に搭乗する場合のみ、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用できる。
それ以外の空港や海外提携ラウンジは、スターアライアンスシルバーへ変更されるため利用できなくなる。
300万円決済ルールの維持により、300万円を満たさないカード会員はLITE(格下げ・制限あり)へ移行し、事実上「LITEで運用するか、カードを解約するか」の二択となる。
LITEで運用すれば、ラウンジ利用の不確実性やピーク時間帯での利用困難、断られた際の屈辱と言った課題は残されている。
国内線でラウンジを確実に利用したい場合は、プレミアムクラス(旧スーパーシート)を選ぶほうが、支出と得られる価値のバランスが良い。
※国内線にはプレミアムクラスが設定されていない路線もある。
国際線なら、必要なときにビジネスクラスを利用するほうが、300万円を積み上げてPLUSを維持するより合理性が高い。
年会費
・一般カード :11,275円
・SFCゴールド:16,500〜42,900円
決済額300万円未満の会員にとって、高い年会費を払ってまでカードを維持するメリットはもはや皆無。





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