更新日:2023/06/30
自転車に乗った女性が歩いていた男性にベルを鳴らしたところ、
トラブルに発展した動画がSNS上で注目を集め、いろいろと物議を醸しています。
事の経過や状況がはっきりしないので、何とも言えませんが
誰にでも起こりえるトラブルだと思います。
そこで今回は、トラブル防止のため「道路交通法」について解説します。
自転車に乗るときは、交通ルールを守ってお互いを思いやり、安全を心掛けましょう。
自転車も道路交通法に関係があるの?
自転車は「軽車両」だからね。
道路交通法の第五十四条(警音器の使用等)2項
《車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。
ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない》と記載されています。
つまり原則、自転車のベルは鳴らしてはいけないのです。
“法令の規定により警音器を鳴らさなければならない”場合とは、
一《左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき》
二《山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき》
となっています。
結論から言えば、街中でしばしばみかける光景ですが
歩行者を自転車が後ろから追い越す際にベルを鳴らすのは、道路交通法違反です。
罰則は、2万円以下の罰金または科料。(第百二十一条第一項第九号)
自転車はどこを走る?
歩道は歩行者のための道で、
歩道と車道の区別のあるところでは、車両である自転車は車道を走るのが原則です。
道路状況から歩道の通行がやむを得ないと判断される場合に限り、歩道の通行が認められます。
自転車が例外的に歩道を通行することができるのは、以下に当てはまる場合に限られます。
①道路標識等により歩道を通行することができるとき。
歩道に「自転車通行可」の道路標識や「普通自転車通行指定部分」の道路標示がある場合ですね。
②運転者が13 歳未満の子供、70 歳以上の高齢者、身体の障害を有する者であるであるとき。
③車道又は交通の状況に照らして、歩道を通行することが「やむを得ない」と認められるとき。
それ 以外の場合は、車道を通行しなければなりません。
また自転車が歩道を走行する際は、
車道寄りの部分を徐行(いつでも止まることが出来る速度)しなければならず、
歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならない。
こちらも違反すると2万円以下の罰金または科料。(第百二十一条第一項第八号)
※道路交通法はこちらから
自転車の歩道通行に関する法規違反
自転車の違反で多いのは、
・「通行区分違反」歩道を通行できる条件が満たされていないにもかかわらず歩道を通行した。
道路交通法第17条第1項違反。
・「歩道通行者に危険を及ぼす違反」歩道における徐行義務違反、車道側通行義務違反、歩行者妨害など。
さすがに、すぐ罰金となるケースは少なくて「指導警告票」が交付されるそうです。
指導警告票とは、
違反を現認した際に検挙はしないものの、注意を喚起するために交付する書面のことで、
人々に交通ルールを理解してもらい事故件数の減少に繋げることが目的です。
歩道で普通自転車と歩行者が事故になったら
過失割合は自転車が100。
過去の裁判例においても、ほとんどのケースで歩行者に過失はなく、
自転車の過失割合が100と判断されています。
理由は明確で、歩道は歩行者のためのものであり、
事故を起こせば、自転車が歩行者への注意義務を怠ったと判断されるからです。
自転車がベルを鳴らすのはまとめ
「道路交通法」は、車の免許を取ったときに誰もが勉強したと思いますが、
自転車は、自動車と違い免許が不要です。
おそらく道路交通法を知らない人も多いはず。
私自身今回初めて道路交通法の原文をちょっとだけ読みました^^;
自転車は原則的に車道か自転車道を通行しなければなりません。
やむを得ない理由で歩道を走行するとしても、
歩行者の通行を妨げないように、自転車側が一時停止をしなければなりません。
また自転車が歩行者に対してベルを鳴らしてよいのは、
危険を防止するためやむをえないときのみ。
それ以外の場合にベルを鳴らす事は法律上許容されていません。
人は立場が違えば、考え方や受け止め方は変わります。
自分が車を運転していれば、バイク・自転車・歩行者は邪魔だし、
自転車に乗って車道を走るときは、車が怖い。
歩道を歩いているときは、後ろから来る自転車は気付かないし、怖い。
ルールを守るのは、お互いの安全を守るため。
必ず交通ルールを守り、安全に運転するよう心掛けましょう。
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