更新日:2024/11/10
あなたは「コーヒー」お好きですか。
朝起きてすぐの一杯に、仕事中のお供に、お出かけ先の休憩に、コーヒーを飲んでリフレッシュするシーンは様々です。
コーヒーの香りや風味を楽しむ時間は、大人にとって欠かせないものですが、子供に飲ませて大丈夫なのか心配になることはありませんか。
心配するのはやはりコーヒーに含まれる「カフェイン」の影響ではないでしょうか?
今回は、カフェイン摂取量の目安、子どもに与えるカフェインの影響などについてご紹介します!
調べた範囲では、中学生になるぐらいまではコーヒーを控えた方が良さそうです。
カフェインの過剰摂取に注意しながらコーヒーを楽しみましょう。
子供がコーヒー飲んでも大丈夫?
カフェインの摂りすぎには気を付けよう!
心配な親は控えた方が良さそう。
カフェインの主な作用
カフェインは、神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ており、ヒトの体内においてアデノシンが作用を発揮するために結合しなければならない場所(受容体)に結合します。
その結果、アデノシンが受容体に結合できなくなることで、その働きが阻害され、神経を興奮させます。
カフェインの過剰摂取
カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。
消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
大人でも、コーヒーを飲みすぎると、これらの作用の影響を受けて寝付きが悪くなったりすることがありますよね?
身体の小さな子どもであれば、いくら少ない量であっても、大人よりカフェインの影響を受けてしまうことが想像できますね。
カフェインが含まれるもの
カフェインは、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれており、コーヒーとお茶がカフェインの主要な摂取源となっています。
子どもが口にする可能性があるものとしては、「コーヒー」「紅茶」「緑茶」「ココア」「コーラ」などが挙げられます。
また、子どもが大好きな「チョコレート」などの食べものにもカフェインが含まれています。
子どもへのカフェインの影響を考えるのであれば、コーヒーだけでなく、その他の飲料や食品にも気を配ることが大切です。
食品名 | カフェイン濃度 | 備考 |
エナジードリンク 又は眠気覚まし用飲料 (清涼飲料水) | 32~300 mg/100 mL (製品1本当たり、36~150 mg) | 製品によって、 カフェイン濃度及び内容量が異なる。 |
コーヒー(浸出液) | 0.06 g/100 mL (=60 mg/100 mL) | 浸出法: コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL |
インスタントコーヒー (粉末) | 4.0 g/100 g | 2 g使用した場合、1杯当たり80 mg |
玉露(浸出液) | 0.16 g/100 mL (=160 mg/100 mL) | 浸出法: 茶葉10 g、60℃湯60 mL、2.5分 |
せん茶(浸出液) | 0.02 g/100 mL (=20 mg/100 mL) | 浸出法: 茶葉10 g、90℃湯430 mL、1 分 |
ほうじ茶(浸出液) | 0.02 g/100 mL (=20 mg/100 mL) | 浸出法: 茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分 |
玄米茶(浸出液) | 0.01 g/100 mL (=10 mg/100 mL) | 浸出法: 茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分 |
ウーロン茶(浸出液) | 0.02 g/100 mL (=20 mg/100 mL) | 浸出法: 茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分 |
紅茶(浸出液) | 0.03 g/100 mL (=30 mg/100 mL) | 浸出法: 茶葉5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分 |
抹茶(粉末) | 3.2 g/100 g | お湯70 mLに粉末1.5 gを溶解した場合、 カフェイン含有量48 mg |
一般的に、コーヒー100mlのカフェイン量は60mgと言われています。
カフェイン量の制限
カフェイン摂取量の上限に決まりはない!?
実は、日本では、カフェインの摂取量の上限について、大人も子どもも明確な定めがありません。
また、「コーヒーは何歳以上から」との決まりもありません。
つまり子供にコーヒーを飲ませるかどうかは親の考え方次第です。
カナダのカフェイン摂取量目安
カフェイン摂取量の目安について、比較的明確な数値を掲げている国が「カナダ」です。
以下の推奨摂取量を定め、消費者向けに注意喚起しています。
〈1日あたりのカフェイン摂取量目安:カナダ保健省〉
■18歳以上の大人は、1日当たり400mg(コーヒーは、237 mLカップで3杯まで)
■妊婦や母乳で保育している母親は、1日当たり300 mg(コーヒーは、237 mLカップで2杯まで)
■18歳までの子供や青少年は、1日当たり体重1 kg当たり2.5 mg
体重は個人差があるため、目安として
■ 10〜12歳 85mg
■ 7〜9歳 62.5mg
■ 4〜6歳 45mg
通常、カップ一杯のコーヒーの量は200ml〜250mlくらいあるので、12歳までの子どもにカップ一杯のコーヒーは多すぎることになりますね。
全日本コーヒー協会
お子様は基本的にはお控えいただくようお勧めしておりますが、小学生以上のお子様ならば、ミルクをたっぷり入れて、薄めのコーヒーをお召し上がりください。
カフェインには難聴のリスクがある!?
最近の研究ではコーヒーの摂取量が多い人ほど、難聴のリスクがあることが指摘されています。
アデノシン受容体は、聴覚をつかさどる耳の器官である蝸牛(かぎゅう)にも存在しており、コーヒーを飲んで摂取されたカフェインが蝸牛への血流を悪化させてしまう可能性があります。
特に男性は女性より蝸牛が長く、また女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには蝸牛を保護する機能があることから、男性がコーヒーによる難聴になりやすいと考えられています。
エナジードリンクは?
2015(H27)年に、カナダにおけるエナジードリンクの潜在的な健康リスク評価の結果を公表しています。
典型的なエナジードリンクを、1缶(250 ml)当たり「カフェイン80 mg、タウリン1,000 mg、グルクロノラクトン600 mg及び複数のビタミンB類を含む飲料」としてリスク評価を行った結果、
一般的な成人では、一日 2 缶までは健康に影響を与えないと結論しています。
カフェイン摂取量まとめ
カフェイン摂取量の目安をご紹介しました。
18歳以上の大人は1日当たり400mg、コーヒーだけならカップ3杯程度が目安となります。
大人用の薬が飲めるのは15歳からとされていますので、子供については確たる根拠がありませんが、極力控えた方が良さそうです。
もちろんカフェインが含まれる食品は、コーヒーだけではありませんので、過剰摂取に気をつけましょう。
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