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【映画国宝】伝統の中で美と情熱が交差する壮大な人間ドラマおすすめ

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歌舞伎座
歌舞伎座 イメージ

更新日:2025/07/01

いよいよ梅雨明けして、夏本番。

暑いときは、野外より涼しいところで過ごしたいですよね。

今回は、話題の映画『国宝』をご紹介します。

映画は、歌舞伎の世界を舞台に、ひとりの男が「芸」と「人生」に向き合い、やがて“人間国宝”と呼ばれる存在へと至るまでの壮絶な歩みを描いた重厚な人間ドラマです。

歌舞伎の起源は、1603年出雲阿国によって始められた「かぶき踊り」。

それ以降、400年以上の歴史を経て、日本独自の舞台芸術として今日まで受け継がれてきました。

そんな伝統の世界を、175分という長尺で丁寧に描き出す本作は、静かな中に強烈な情熱が宿る、まさに“和の美”が光る一本で、観る者に深い感動と余韻を残します。

ぜひ映画館でお楽しみください。

映画「国宝」どうだった?

管理人
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良かった。おすすめ!

作品のネタバレあり。

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映画『国宝』とは?

国宝予告編

『国宝』は、吉田修一さんの同名小説を原作にした映画作品。

朝日新聞で2017年1月1日~2018年5月29日に掲載された小説です。

小説「 国宝」は2019年第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞をダブル受賞。

歌舞伎の世界で頂点を目指す主人公「喜久雄」の人生を描きます。

物語は、1964年1月の長崎で幕を開ける。

今も残る『史跡料亭 花月』が舞台設定のようです。

15歳の時、立花組の跡取り息子である「喜久雄」は、組同士の抗争によって父「立花 権五郎」を失う。

上方歌舞伎の名門の当主で看板役者「花井半次郎(渡辺謙)」に芸の才能を見込まれ、「花井家」に住み込みで修行を始める。

そこには、花井半二郎の息子「俊介」が役者を目指していた。

二人は次第にライバルとして切磋琢磨していく。

猛稽古を積んだ「貴久雄」は”花井東一郎”、「俊介」は”花井半弥”としてデビュー。

歌舞伎はいわば世襲の世界。

「血」と「芸」の葛藤に苦しみながら、それぞれの道を歩む。

厳しい修業を経て、「喜久雄」はついに「人間国宝」として称えられる存在に。

主人公が最後に見た景色とは?

本作は、芸の世界の栄光と陰、師弟関係や家族、そして人間の内面を深く掘り下げた重厚な人間ドラマです。

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登場人物・キャスト

◆主人公:立花 喜久雄「花井東一郎」(吉沢亮)

・喜久雄の父で立花組組長:立花 権五郞(永瀨正敏)

・喜久雄の恋人:福田 春江(高畑充希)

・京都の芸妓:藤駒(三上愛)

・歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘:彰子(森七菜)

●主人公のライバル:大垣 俊介「花井半弥」(横浜流星・28)

■歌舞伎名門の当主:花井 半次郎(渡辺謙・65)

・半二郎の妻:大垣 幸子(寺島しのぶ・52)

寺島しのぶの父は、人間国宝の七代目尾上菊五郎(82)、母は俳優の富士純子(79)、弟は、八代目尾上菊五郎(47)。

■人間国宝の女形:小野川万菊 (田中泯)

☆雑誌のカメラマン:綾乃 (瀧内公美)

観るべきポイント3つ

175分、息をのむ映像体験

3時間近い上映時間にも関わらず、時間を忘れるほど引き込まれる構成力。

緩急のバランスが見事です。

要所要所で映し出される歌舞伎の舞台や映像が美しい。

中だるみを感じる事なく、話は進みます。

本物の芸が伝わるリアリティ

伝統芸能の世界を描くにあたり、所作や演出にも徹底したリアリズムが感じられます。

もちろんそれは、観客としての視点からでも、楽屋裏(黒子)としての視点からでも、歌舞伎の世界というものを見せてくれて面白い。

主演の吉沢と横浜は、約1年半にわたり、歌舞伎の稽古をしたそうです。

四代目中村鴈治郎が本作の歌舞伎指導に入り、本編に俳優としても参加。

原作者の吉田修一氏自身が3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を元に小説を執筆。

心に響く「生き様」の物語

名声と孤独の狭間で揺れる男の姿は、芸を超えて人生そのものを考えさせられます。

「悪魔と契約してでも、日本一の歌舞伎役者になりたい」と言う己の目的は達したのかも知れない。

果たしてその時、「喜久雄」は何を見たのか?

映画を観た雑感

映画『国宝』を観終えたあと、私の中に強く残ったテーマは「血」VS「芸」だった。

血――それは、家系、血筋、世襲、伝統。

芸――それは、修練、才能、破壊、そして再構築。

歌舞伎の世界を描いた本作では、「名門の家に生まれた」という事実がときに呪いとなり、また武器にもなる。

芸は血を必要とするのか? 血に芸が宿るのか? それとも、芸こそが血を超えていくのか?

そしてもう一つのポイントは、視点だ。

この作品は、芸に生きる者たちの物語でありながら「視点」が物語の軸を動かしている。

舞台に立つ者は、常に見られる側だ。

けれど『国宝』では、観客側からの視点はもちろん、役者の視点、舞台袖からの視点、共演者からの視点など視線の交錯が何度も描かれる。

そして最後は自分自身の視線――

登場人物の死因考察

■立花 権五郞(永瀨正敏)

映画冒頭から、主人公「喜久雄」の父で立花組組長「立花 権五郞(永瀨正敏)」は組同士の抗争により銃弾に倒れる。

死因は、おそらく「腹部銃創による失血性ショック」

それを見届けた「喜久雄」には、現実でありながらまるで舞台を見るかのような光景が焼き付いたのではないだろうか。

特に血の色である「赤」と長崎には珍しく降っていた雪の「白」。

■花井 半次郎(渡辺謙)

主人公の師である歌舞伎名門の当主「花井 半次郎」は、襲名披露の舞台上で血を吐いて倒れ、救急車にて搬送される。

もともと「糖尿病性網膜症」で視力が落ちており、おそらく「食道静脈瘤破裂による失血死」。

■大垣 俊介(横浜流星)

主人公のライバル「俊介」も病に冒される。

自分の父「花井 半次郎」と同じく糖尿病を患い、「糖尿病性壊疽(えそ)」のため左脚を切断。

残った右足も壊疽になるも最後まで舞台に立った。

高血糖状態が続くことで血管にダメージを与え、おそらく「突然死」もしくは感染を併発し「敗血症性ショック」。

人間国宝の女形「小野川万菊」。

既に90歳を超え、認知症もなさそうなので、多分「老衰」。

歌舞伎の演目

映画で登場する歌舞伎の演目をご紹介。

どんなお話なのか知っておくと、映画がより楽しめるかも。

歌舞伎を知らなくても映画は十分楽しめますのご安心ください。

積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)

通称 関の扉(せきのと)。美しい傾城と関守による大曲舞踊。

主人公が映画の冒頭、余興で演じた。

連獅子(れんじし)

親獅子と仔獅子の姿を通して親子愛を描く舞踊。

曽根崎心中(そねざきしんじゅう)

近松門左衛門が1703年に起きた実際の心中事件を基に浄瑠璃として創作。

遊女お初と醤油屋の手代徳兵衛の悲恋を描いた物語で、江戸時代に大ヒットし、現在も上演され続けています。

歌舞伎では、1953年(昭和28年)に原作を書き直して初演。

二人道成寺(ににんどうじょうじ)

歌舞伎の演目の一つで、「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」の二人で踊る部分。

・「引き抜き」という手法で一瞬にして赤の衣裳から水浅葱(薄水色)の衣裳に変わる。

・「振り出し笠」(一つの笠を降り出すと三つの笠が連なる仕掛けの笠)を使い可憐に踊る。

鷺娘(さぎむすめ)

雪景色の中、鷺の精が恋心を踊る舞踊。

こんな人におすすめ

・日本の伝統文化に関心がある方

・深みのある人間ドラマを観たい方

・美しい映像と演技に浸りたい方

・「生き方」を見つめ直したいすべての人へ

聴けるのはAudibleだけ

原作もおすすめですが、けっこう分厚いです^^;

文庫本上下800ページを超える大作。

本の読むのが苦手な人には、AmazonのAudibleをおすすめ。

語りは、尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎。

映画国宝まとめ

大ヒット上映中の映画「国宝」をご紹介しました。

『国宝』の製作費は、12億円と報道されています。

一般的な邦画の製作費は3億円なので、映画4本分お金をかけた計算になります。

もちろんお金だけでなく、手間と時間と関係者の並々ならぬ熱量が費やされた大作ですね。

芸とは、人生そのもの。

『国宝』は、見る人によって感じ方が変わる作品です。

誰に感情移入するかにもよりますが、泣けるというか思わず涙がこぼれる場面があってハンカチをお忘れなく…。

175分という上映時間を感じさせることなく楽しめますので、ぜひとも映画館でご鑑賞ください。

記事を書いた人 文貴(fumitaka)


・ブロガー:2021年9月ブログ開設

・趣味:旅行(国内・海外)、食べ歩き、写真撮影
 


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