あなたは最近「健診」受けましたか。
多分サラリーマンや公務員の人は、定期的に受診していると思います。
自営業や無職、非常勤の人はどうでしょうか。
私は、先日雇入れ時の健康診断を受けました。
去年職場で受けた健康診断以来、ほぼ1年ぶりです。
ここ1~2年健診を受けた事がない人は、要注意です。
今回は健診と検診の違い、健診結果の見方について解説します。
健診受けていない人はぜひ受けましょう。
何より健康が大事ですからね。
健診って何を調べるの?
健診と検診を説明するね。
健診って何?
【健診】は、健康診断のことで、特定の病気を検査するものではなく、
健康状態を確認することを目的とした検査です。
健康診断はどんなことするの? 何をチェックする?
主に「一般健康診断(一般健診、定期健診)」と呼ばれているものです。
検査内容は「身体計測」「血液検査」「胸部X線」「尿検査」など基本的なものが中心で、
費用は無料か低額です。
検査項目が多くなれば、その分料金がかかります。
転職の健康診断で必須の検査内容
元々雇用者は「雇い入れ時」と「年1回」健康診断を行う義務があります。
今働いている人は、職場で年に1回健康診断を受けているのではないでしょうか。
雇入れ時の健康診断は、労働安全衛生規則43条にて以下の検査項目が指定されています。
・既往歴(過去の病歴や手術歴、現在治療中の病気があるか)及び業務歴
・自覚症状や他覚症状の有無
・身長、体重、腹囲、視力、聴力
・胸部X線検査
・血圧測定
・尿検査(尿中の糖および蛋白の有無)
・貧血検査(赤血球数、血色素量)
・肝機能検査(GOT、GPT、y-GTP)
・血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
・血糖検査
・心電図検査
・企業指定の項目
引用:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断の概要」
健康診断結果の見方
BMI 値
BMI 値は身長に見合った体重かどうかを判定する数値です。
体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出します。(単位 kg/㎡)
要注意 | 基準範囲 | 要注意 | |
体格指数(BMI) | 18.4 以下(低体重) | 18.5~24.9 | 25.0 以上(肥満) |
腹囲
メタボリックシンドロームを判定するための基本になるのが、腹囲の数値です。(単位cm)
日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、
かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、
「メタボリックシンドローム」と診断されます。
基準範囲 | 異常 | |
男性 | 84.9以下 | 85.0以上 |
女性 | 89.9以下 | 90.0以上 |
血圧値
血圧値によって心臓のポンプ機能が正常に働いているか、
また高血圧・低血圧かを判断します。(単位 ㎜ Hg)
血圧 | 基準範囲 | 要注意 | 異常 |
収縮期血圧 | 129 以下 | 130~159 | 160 以上 |
拡張期血圧 | 84 以下 | 85~99 | 100 以上 |
尿検査
○尿糖
尿中に糖が出ていないかを検査します。
異常が認められれば、糖尿病が疑われます。
基準値 | 再検査 | 異常 |
陰性(-) | (±)(+) | (2+以上) |
○蛋白
尿中の蛋白を調べます。
腎臓の傷害により尿蛋白が増えます。腎炎、糖尿病性腎症などが疑われます。
基準値 | 再検査 | 異常 |
陰性(-) | (±)(+) | (2+以上) |
貧血検査
●赤血球数(RBC)
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、
不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
赤血球の数が多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血が疑われます。
女性に多いのはやはり鉄欠乏性貧血ですが、高齢者はがんが原因のことがあり、注意が必要です。
●血色素量(Hb)(ヘモグロビン)
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。
減少している場合、鉄欠乏症貧血などが疑われます。(単位 104/μL マイクロリットル)
異常 | 要注意 | 基準範囲 | 要注意 | 異常 | |
男性 赤血球 女性 赤血球 | 359 以下 329 以下 | 360-399 330-359 | 400-539 360-489 | 540-599 490-549 | 600 以上 550 以上 |
男性 血色素 女性 血色素 | 11.9 以下 10.9 以下 | 12.0-13.0 11.0-12.0 | 13.1-16.6 12.1-14.6 | 16.7-17.9 14.7-15.9 | 18.0 以上 16.0 以上 |
肝機能検査
●AST(GOT)と ALT(GPT)
AST(GOT)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。
ALT(GPT)は肝臓に多く存在する酵素です。
数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われ、
AST(GOT)のみが高い場合は心筋梗塞、筋肉疾患などが疑われます。(単位 U/L)
食べ過ぎ、運動不足の場合は、脂肪肝が原因として考えられます。
あまり飲酒しないのに、数値が高い人は、運動も心掛けましょう。
逆に肝硬変まで病状が進行した場合は、見かけ上肝機能が基準範囲のことがあります。
基準範囲 | 要注意 | 異常 | |
AST(GOT) | 30 以下 | 31~50 | 51 以上 |
ALT(GPT) | 30 以下 | 31~50 | 51 以上 |
●γ-GTP
γ-GTP は、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。
数値が高い場合は、
アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害等が疑われます。(単位 U/L)
基準範囲 | 要注意 | 異常 |
50 以下 | 51~100 | 101 以上 |
脂質系検査
●総コレステロール(TC)
血液中にはコレステロールという脂質が含まれています。
ホルモンや細胞膜を作る上で大切なものですが、
増えすぎると動脈硬化が進み、心筋梗塞などにつながります。
数値が高いと、動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂質異常症などが疑われます。
低い場合は、栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変などが疑われます。(単位 ㎎/dL)
要注意 | 基準範囲 | 要注意 | 異常 |
139 以下 | 140~199 | 200~259 | 260 以上 |
●HDL コレステロール
善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。
少ないと、動脈硬化の危険性が高くなります。
数値が低いと、脂質代謝異常、動脈硬化などが疑われます。(単位 ㎎/dL)
異常 | 要注意 | 基準範囲 | 異常 |
29 以下 | 30~39 | 40~119 | 120 以上 |
●LDL コレステロール
悪玉コレステロールとも言われます。
LDL コレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、
心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性が高まります。(単位 ㎎/dL)
要注意 | 基準範囲 | 要注意 | 異常 |
59 以下 | 60~119 | 120~179 | 180 以上 |
●中性脂肪(TG)(トリグリセリド)
体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
数値が高いと動脈硬化を進行させます。
低いと、低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われます。(単位 ㎎/dL)
要注意 | 基準範囲 | 要注意 | 異常 |
29 以下 | 30~149 | 150~399 | 400 以上 |
血糖検査
●血糖値(FPG)
糖とは血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として全身に利用されます。
空腹時血糖を測定することが一般的で、
健診は朝食抜きで受けるよう指示されるのはこのためです。
食事を食べて受診した場合は、素直に申告しましょう。
数値が高い場合は、糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常等が疑われます。(単位 ㎎/dL)
基準範囲 | 要注意 | 異常 |
99 以下 | 100-125 | 126 以上 |
転職時の健康診断の費用と自己負担について
雇入れ時の健康診断の費用相場は、1万円前後です。
健康診断は保険適用外であるため、費用は受診する医療機関によって異なります。
私が受けた医療機関では、7,140円でした。
基本的に転職先の会社が費用を負担することが多いですが、会社が負担する決まりはありません。
雇入れ時の健康診断は会社の義務である以上、内定後であればほとんどの場合負担されます。
診断書はいつもらえる?
健康診断は即日・翌日の診断書発行に対応している機関もありますが、
一般的には結果が出て診断書を受け取るまでに1〜2週間、長くて3週間ほどかかる時もあります。
健診を予約する時に確認しましょう。
健康診断書の有効期限は?
健康診断の結果は、一般的に受診から3ヶ月以内であれば有効です。
会社によっては、入職日前12ヶ月以内有効という所もありますので、確認しましょう。
ただし、健康診断の検査項目を満たしていない場合は、再受診が必要です。
検診
【検診】は、特定の病気にかかっているかどうかを調べるために診察・検査などを行うことで、
早期に病気を発見し治療することを目的とした検査です。
※福岡市の場合は以下の検査を受けることができます。
各種がん検診 ※福岡市の場合
胃がん検診
①内視鏡検査(胃カメラ)
50歳以上の人、2年度に1回 医療機関 1,800円
②バリウムによる胃透視
40歳~69歳 医療機関 1,800円 その他の施設 600円
70歳以上 医療機関 無料
大腸がん健診
○2日間採便による便潜血検査 40歳以上 医療機関、市の施設等 500円
肺がん健診(結核・肺がん検診)
○胸部X線検査
40歳~64歳 市の施設等 500円
65歳以上 市の施設等 無料
子宮頸がん検診 女性のみ
○子宮頸部粘膜の細胞診 20歳以上 医療機関 1,200円 市の施設等 400円
乳がん検診 女性のみ
○マンモグラフィー
40歳代(2方向) 医療機関 1,500円 市の施設等 1,300円
50歳以上(1方向)医療機関 1,200円 市の施設等 1,000円
前立腺がん検診 男性のみ
○PSA血液検査 55歳以上 医療機関 1,000円
その他の健診等 ※福岡市の場合
骨粗しょう症検査
○X線を当てて骨量測定 40歳以上 市の施設等 500円
胃がんリスク検査(ピロリ菌検査等)
○血液検査 35歳、40歳 医療機関、市の施設等 1,000円
B型・C型肝炎ウイルス検査
○血液検査 満20歳以上の過去未受診者 無料
健診はどこで受けたらいいの?
会社に勤めている人や公務員は年1回健康診断があるはずです。
実は会社による健康診断は、労働安全法という国の法律で決められたものです。
普通の職種なら一年に一度、危険業や深夜業に従事している方は半年に一度受けなければなりません。
労働安全衛生規則第44条、検査項目は上記「雇い入れ時」と同様です。
手元に健診結果がある人はぜひチェックしてみて下さい。
それ以外の人は、近くの病院を調べて見ましょう。
ある程度大きな病院には健診センターがあります。
また各市町村では、健診、がん検診等を行っています。
一度調べて見てはいかがでしょうか。
年に1回の健診で早期発見・早期治療!!
福岡市の人口は、令和4年3月1日現在推計 1,619,196人
令和元年度の福岡市のがん検診では約16万人が受診し、
400人以上のがんが見つかりました。
多くの人が定期的に受診することで、病気の早期発見・早期治療につながり、
身体的・精神的・経済的負担を軽減しましょう。
健診まとめ
健診、検診について解説しました。
生活習慣病予防&がんの早期発見のため、健康なあなたも健診を受けましょう。
出来たら年1回健康を確認するためにも受けましょう。
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