更新日:2023/05/27
あなたの身長は高いですか、低いですか。
どうしてもぱっと見で分かるのでいろいろ気になりますよね。
残念ながら大人の身長はもう伸びないので、今回は子どもの身長を伸ばす方法について解説します。
お子様の身長が気になるご両親だけでなく、健康に気をつけたい人はぜひ参考にして下さい。
最終身長は予測できるの?
両親の身長から予測
身長は遺伝的な影響を比較的強く受ける事が知られています。
最終的な身長は、以下の式で計算される数値内に落ち着くようです。
●男子の予測身長=(両親の身長の合計+13)/ 2 ± 9
●女子の予測身長=(両親の身長の合計-13)/ 2 ± 8
結論だけ書くと、両親の身長、なかでも父親より母親の遺伝の影響が大きくて、
子どもの身長は遺伝的要因でほぼ7~8割ぐらい決まるようです。
成長曲線から予測
年齢と身長、体重の関係を図示したものを成長曲線と呼びます。
真ん中の曲線(50のライン)が標準の成長曲線です。
厚生労働省「成長曲線を描いてみましょう」 (mhlw.go.jp)
身長の伸び悩みで心配な人は、今までの身長、体重を成長曲線に書き入れてみましょう。
たとえば12歳時点で身長が145cmの男子であれば、
17歳時点でおおよそ165~170cmになると予測できます。
成長曲線よりもかなり低い場合は何らかの原因があるかもしれないので、
かかりつけの小児科に相談してみて下さい。
成長のしくみ
ICPモデル
成長のパターンは、ICPモデル(infancy、childhood、puberty)の考え方が広く知られています。
成長時期は、
・速い増加を示すが急速にその速さが鈍る乳幼児期、
・それに引き続きゆっくりと成長速度が低下する前思春期(幼児期から学童期)、
・再び急速に成長速度が増加してその後ブレーキがかかり成長が停止する思春期
の3時期に分けられます。
各時期において成長に大きく影響する重要な因子は、
乳幼児期では「栄養」、前思春期では「成長ホルモン」、
思春期では「性ホルモン」と考えられています。
背が伸びるのは?
骨1本1本の両端には「骨端線」という軟骨部分があります。
この部分に、脳の下垂体から分泌される成長ホルモンや、
成長ホルモンによって産生が促されるソマトメジンCという物質が働きかけ、骨を伸ばします。
思春期の終わりには、軟骨を作って骨を伸ばす「骨端線」という部位が骨に変わっていきます。
この骨端線が骨に変わってしまうと、骨を伸ばすことができなくなり、
したがって背も伸びなくなります。
身長を伸ばすためにできる3つのこと
栄養
乳児期の成長に一番大切なのは「栄養」です。
もちろん栄養は乳児期だけでなく、18歳頃までの成長時期、さらに一生を通して、
栄養はずっと大事です。
よく骨にいいのはカルシウム、と言われますが、カルシウムだけをたっぷり取っても骨ができるわけではありません。
カルシウム、リン、ビタミンDが揃うと、骨が作られ骨が丈夫になります。
特定の食べ物や飲み物、サプリメントで済まそうとしないで、
栄養バランスの採れた食事をとることが大切です。
運動
「授業の休み時間や放課後、外で遊ぶ」など、日常生活の中での運動がおすすめ。
1時間ほど外で遊ぶと適度に疲れるので、質のいい睡眠も取りやすくなり、
日光に当たることでビタミンDも体内で作られます。
また運動は、成長ホルモンの分泌を促すためにも必要です。
睡眠
「寝る子は育つ」といいますが、思春期の子がよく寝るのは、
成長ホルモンの分泌が深い眠りと関係しているためです。
眠りについて30分ほどしてノンレム睡眠(脳が休止する深い睡眠)に入った時に
成長ホルモン分泌のピークを迎えるといわれています。
ですから成長ホルモンの分泌を促すには、熟睡できる環境づくりが大切です。
また成長ホルモンは睡眠時ほどではありませんが、昼間も分泌されています。
運動すると成長ホルモン分泌が促されますので、適度な筋力トレーニングはおすすめ。
よくある質問
- Q身長はいつまで伸びる?
- A
一般的には、男子17才、女子15才頃で身長の伸びは止まります。
- Q成長スパートはいつ?
- A
男子は10歳~15歳前後。成長のピークが13歳。
男子の場合は声変わりが起こるタイミングが成長スパート期の後期です。
声変わり以降は、少しずつ身長の伸び幅が小さくなることがほとんど。
女子は8歳〜12歳前後。成長のピークが11歳。
初潮は、身長が一気に伸びる成長スパート期の後期に始まることが一般的です。
成長がほぼ完了してから初潮が始まるため、初潮以降は身長があまり伸びなくなると言われています。
身長を伸ばす方法まとめ
小学生が身長を伸ばすには、十分な栄養を摂るとともに、
低学年・中学年のうちは「成長ホルモン」、
高学年になって思春期に入ると「性ホルモン」の分泌が欠かせません。
身長がどこまで伸びるかは、両親の遺伝的要因が大きく関係します。
そのため、両親の身長をもとにだいたいの予測身長を計算することができます。
また、「栄養」「運動」「睡眠」を見直すことで、
より身長が伸びやすい環境を作ることが大切ですね。
そして何より一番大事なものは、「愛情」。
愛情に不安があって精神状態が不安定になると、成長ホルモンの分泌が減ると言われています。
両親の言い争う姿は、脳の中の恐怖をつかさどる部分を活性化し、不要なストレスを生みます。
たっぷりの愛情で子どもの健やかな成長をバックアップしていきましょう。
それは両親だけでなく、大人の、ひいては社会の役目です。
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