【心臓震盪】AEDで一刻も早い救命処置を!救うのはあなたです

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野球イメージ

更新日:2023/05/19

あなたは「心臓震盪(しんぞうしんとう)」という言葉を聞いた事がありますか。

ネットでニュースを見ていたところ、痛ましい事故のニュースがありました。

福岡県立太宰府高校の野球部員の男子生徒が、今月3日の練習試合中に打球があたって死亡していたことが分かりました。

男子生徒は練習試合で投手を務めていたところ、ピッチャーライナーが胸に当たり、

救急搬送されたが、死亡が確認されたという。

試合で胸に打球、野球部員死亡 福岡・太宰府高 | 共同通信
福岡県立太宰府高(太宰府市)野球部の男子部員が3日、同県久留米市であった他校との練習試合で、胸に打球...


ネットやTVのニュースでは詳細不明ですが、おそらく死因として可能性が高いのは

「心臓震盪」ではないかと思いました。

そこで今回は「心臓震盪」についてまとめてみました。

誰もが身近なところで遭遇する可能性がありますので

ぜひ知識として、出来れば自分が対処出来るようAEDの講習会に参加しましょう。

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心臓震盪ってなに?

心臓の真上に何らかの外力が加わったことにより、

心室細動」という不整脈が起こっている状態です。

心室細動とは、心臓の筋肉が細かく痙攣し、十分な血液を脳や全身に送ることが出来なくなっているため早急な対処が必要です。

心室細動が起こった場合、速やかに心肺蘇生を行い、

AEDによる電気ショックを行わなければ救命できません。

アメリカでは心臓震盪は1990年代後半から注目されており、

野球、サッカーなどの球技やラグビーなどのコンタクトスポーツで起こることが報告されています。

なかでも野球中の発生が多いのですが、先ほどのピッチャーが打球を胸に受けた場合のほか、

素振りのバットが当たった、キャッチボールのボールが当たったなど、状況はさまざまです。

ほかに躾やケンカなどの際、肘や膝が胸に当たって起こったことも報告されています。

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心臓震盪のメカニズム

心臓震盪は、衝撃の力によって心臓が停止するのではありません。

心臓震盪の発生には「衝撃が当たる場所」「強さ」「タイミング」の 3つの要素が必要です。

当たる場所は心臓の真上です。胸でも心臓以外の場所では起こりません。

強さは弱くても強すぎても起こらないといわれていますが、

胸郭が軟らかい子どもであれば軽い衝撃でも起こりえます。

衝撃を受けるタイミングが、心臓震盪が起きるうえでもっとも重要なポイントです。

なぜなら心臓震盪は特定のタイミングで衝撃を受けたときにのみ起こるからです。

それは、心臓が収縮した後に元に戻ろうとする瞬間、

時間にして1000分の20秒というわずかなタイミングに合わせて衝撃が加わると起こります。

心電図の波形

職場の健診である年齢以上になると心電図の検査がありますので、

自分の心電図を見たことがあるかも知れません。

P波は心房収縮、QRS波は心室収縮、T波は収縮後の回復による波形です。

ブタを使った実験では、T波の頂上直前に衝撃を与えると10回中 9 回で心室細動が誘発されたが、他の時相では誘発されなかった。

文献:Link M. S, et al. An Experomental Model of Sudden Death Due to Low-Energy Chest-Wall Impact(Commotio Cordis). N Eng J Med 1998;338:1805-1811

心臓震盪が起こったらどうなるの?

心室細動では心室の筋肉が全体として収縮するのではなく、

各部がバラバラに痙攣していて心臓がポンプとして血液を送りだすことができず、

心停止と同じ状態になります。

心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓など重要な臓器にも血液が行かなくなり、

やがて心臓が完全に停止して死亡してしまう、とても危険な状態です。

心臓が原因の突然死の多くは、この「心室細動」が原因です。

心臓震盪の治療法は?周りの人は何をすれば良いの?

胸に何かが当たって倒れたことを目撃したら、(倒れた人を見たら)

周りの人たちはすぐに意識と呼吸を確認してください。

倒れてから様子を見て、1分 2分経って、「やっぱりおかしいから救急車を呼ぼう」というのでは手遅れになります。

一刻を争うのだという認識で、意識と呼吸を確認して、それらがなければすぐに救急車を手配して

心臓マッサージ(胸骨圧迫)を開始することが大切です。

その際、近くに 「AED」 があれば、最も有効な手段になります。

AED

AEDは自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator)の略で、
心室が細かく痙攣して心室細動を起こした心臓に電気ショックを与えて動きを正常に戻す装置です。

AED(自動体外式除細動器)を用いた電気ショック|日本赤十字社

心臓震盪まとめ

心臓震盪の原因と対処法について解説しました。

起こる可能性は低いですが、心臓震盪が起こると一刻も早い対処が必要です。

心室細動が発生してから1分が経過するごとに約10%ずつ除細動の成功率が低下するため、

10分も過ぎるとほぼ助からないことになります。

「119番通報から救急自動車が現場に到着するまでの時間」は全国平均で8.7分

どの場所で心停止が起こっても、『1分でAEDを取りに行き、1分で持って戻り、1分で使用する』

という合計 3分以内の電気ショックが望まれます。

日本では2004年7月から一般市民のAED使用が認められるようになり、

誰でもAED機器を用いて救急処置が行えるようになっています。

ただ使い方が分からなければどうしても躊躇してしまうでしょうから、

何かの機会にAED講習会を受講されることをお勧めします。

AEDの使い方を学べる講習として、
公的なものでは消防や日本赤十字社の講習等があります。
AEDのメーカー等も有償で講習会を開いています。
まずお住まいの市町村にお尋ね下さい。

AED講習会のご案内|日本AED財団 (aed-zaidan.jp)

福岡市 救命講習|福岡市消防局 (fukuoka.lg.jp)

この記事を書いた人 文貴(fumitaka)


・ブロガー:2021年ブログ開設

・投資家:日本株投資歴39年
     つみたてNISA、iDeCoにてインデックス積立中

・フリーランス:2021年退職し、サイドFIREへ
   


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