更新日:2023/08/17
あなたは健康のために何か運動をしていますか。
これまで、健康のためには1日1万歩を目標に歩くのが良いと言われてきました。
2023年7月「European Journal of Preventive Cardiology」に
1日4000歩程度歩くだけでも全因死亡率を下げ、
2300歩程度でも心血管死亡率を下げる効果が示唆されるとの研究結果が報告されました。
今回は研究結果をまとめた論文について解説します。
ぜひ毎日4,000歩を目標に歩きましょう。
1日どれくらい歩けば良いの?
1日4,000歩が目標。
夏は熱中症に気をつけて歩こう。
1日の歩数と全因死亡率および心血管死亡率との関連
全文はこちらから
論文著者
研究方法
合計226,889人(一般的に健康な人々または心血管リスクのある患者)を含む
17のコホート研究をメタ解析
平均フォローアップ期間は7.1年
結果
全因死亡率においてはカットオフポイント3967歩/日、
心血管死亡率においては、2337歩/日。
1日当たり歩数が1000歩増加するごとに、全因死亡率のリスクが15%減少。
1日の歩数を500歩増やすごとに、心血管疾患に関連する死亡リスクは7%減少。
1日あたり平均4000歩以上歩く人は、全死因の死亡率が大幅に低下するとの研究結果が発表された。
さらに、それよりも少ない歩数でも心臓血管系の疾患のリスクが減るとされており、
ごく軽い運動であっても大きな健康上のメリットが得られることが示唆されている。
研究を主導したポーランド・ウッチ医科大学の循環器学教授マチェイ・バナフ(Maciej Banach)は
その結果は性別や年齢、居住地にかかわらず同一だったと説明。
「心臓や血管の疾患リスクを軽減し、長生きを実現するためには、先進的な治療薬を使うよりも、
食事や運動などのライフスタイルを変えることのほうが効果的かもしれない」と述べている。
歩数を調べるには?
自分の1日当たりの歩数を調べるには、スマホをチェックするのが一番簡単な方法です。
iPhoneなら、特別な設定は一切必要なく、
iPhoneのセンサーが自動で歩いた歩数をカウントしてくれます。
iPhoneで歩数の確認方法
歩数計を確認する方法は、
- 「ヘルスケア」アプリを開く
- [ブラウズ]をタップする
- [アクティビティ]をタップする
- [歩数]の部分を確認する
今日1日だけでなく、月単位や年単位で記録されています。
Androidで歩数計の使い方
Google Fit アプリを確認してみて下さい。
歩幅の目安
歩幅とは、歩く時に踏み出した一歩で進む距離のこと。
「幅」なので正しくは「狭い/広い」と表現します。
歩幅の目安としては、
年齢 | 男性 | 女性 |
30代 | 71~74cm | 59~60cm |
40代 | 71~72cm | 59~60cm |
50代 | 66~69cm | 56~58cm |
60代 | 61~64cm | 53~54cm |
70代 | 54~58cm | 47~49cm |
50代以降を見ると、男女とも年齢を重ねるほどに歩幅が狭くなっています。
筋力が衰えてくると、歩行時に足を上げないすり足気味な歩き方になりがち。
これは、歳を重ねるほどに筋力や体力が衰えることが主な原因です。
ウォーキング時歩幅の目安は身長の45%
歩幅を広げると腹筋や臀筋、ハムストリング(太ももの裏側)などの大きな筋肉をより多く使うことができます。
この場合の歩幅は、性別や年齢に関係なく「身長の45%」が目安。
身長170cmだと76.5cm。
身長160cmだと72cm。
歩幅はどうやって測る?
「10歩歩いてその距離を測り、10で割る(参考:健康機器のタニタ)」という方法が用いられます。
横断歩道を利用して
横断歩道は、白線自体が45cm、次の白線との間隔は45cmと定められています。
白線が何本あるかを数えて、さらに何歩で歩くかをカウントします。
まとめ
17のコホート研究を対象にメタ解析を行った結果、一定のカットオフポイントを超えると、
歩数が1000歩増えるにつれて、全因死亡率が15%減少、
500歩増えると心血管死亡率のリスクが7%減少。
カットオフポイントは、全因死亡率1日約4000歩、心血管死亡率は2,300歩ほど。
歩行による効果は、性別や年齢、居住地にかかわらず認められた。
夏場は熱中症に注意し、無理のない範囲で歩きましょう。
さらに歩幅を意識して「自分の身長の45%」まで歩幅を広くするとより効果的です。
目指せ1日4,000歩!
コメント