更新日:2024/04/24
あなたは最近眠れてますか。
3月に入り、福岡では急に温かくなりました。
桜も満開です。
3月は年度末であり、通常よりも忙しくなる職場が多いのではないでしょうか。
仕事が忙しくなると、どこにしわ寄せがいくか。
誰しも経験があると思いますが、「睡眠」です。
過度な長時間労働や残業が続けば、後は睡眠時間を削るしか方法がないからです。
1日は24時間しかありません。
労働時間が長くなれば必然的に睡眠時間が短くなります。
睡眠不足が長期間続くとどうなるのか?
それは寿命を縮めることにつながります。
今回は睡眠不足についていろいろ調べて見ました。
自分の働き方を考える手助けになれば幸いです。
睡眠不足が続くとどうなるの?
死亡リスクが高くなるから
注意しようね。
睡眠時間と死亡リスク
国民生活時間調査結果(2020年)をみると、
日本人の1日の睡眠時間は平日7時間12分、土曜7時間46分、日曜8時間02分で、
平日<土曜<日曜の順に長くなっています。
睡眠時間が長くても短くても死亡しやすくなるという結果は、
いろんな研究で報告されています。
米国の大規模調査では睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く長寿でした。
短い睡眠が健康にとってリスクというのは理解できるかもしれませんが、
実は8時間を超える睡眠時間の人も死亡リスクが上昇するという結果がでています。
これは日本の調査でも同様の結果で、睡眠時間は長くても短くても死亡リスクと関連することが男女ともに知られています。
ただ、どのようなメカニズムがあるのかは、まだ解明されていません。
睡眠時間と死亡リスクとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)
人は何時間寝れば良いのか?
多くの人は、7~8時間連続して眠らないと日中に眠気を感じたり疲労が蓄積していったりする
という一般的な睡眠体質を持っています。
もちろんショートスリーパーと呼ばれる睡眠時間が短い人も中にはいます。
ショートスリーパーとは、
「6時間以下の睡眠が連続しても、日中に眠気やパフォーマンスの低下、疲労を一切感じない」
「休日であっても6時間以上眠ったことがない」
「日中も一切昼寝をしない」という
短時間睡眠の体質をもつ人々です。
真偽の程は別として、ナポレオンの睡眠時間はわずか3時間、発明王エジソンは4時間という話は有名ですね。
正確な割合は調べられていませんが、人口当たり約5%とも1%未満と考えられていて、
非常に少ない。
一方で、相対性理論で有名なアインシュタインの睡眠時間は10時間と長かったようです。
快適な眠りの基準は、人によってさまざまですが、目安としては7時間前後。
もちろん季節や年齢、性別等によって影響を受けるので絶対的な基準はありません。
適正な睡眠時間はどうやったらわかるの?
では、どうやって適正な睡眠時間を判断すればよいのでしょうか。
2~3週間、一定の睡眠時間(例えば7時間)にしてみて、
昼間に眠気が生じず日中の精神活動でも問題がなければ、
それがあなたにとって適切な睡眠時間です。
眠気を感じるようなら睡眠時間を30分長くして、どうなるか見てみましょう。
睡眠時間を増やして調子が良くなれば、それがあなたにとって必要な睡眠時間です。
一番分かりやすいのは、休日に目覚ましをセットせずに起きれるかどうかです。
普段目覚ましを7時にセットしている人は、休みの前日は目覚ましをセットせずに寝てみましょう。
目覚ましをかけずに7時に目が覚めれば睡眠時間は十分取れていると判断出来ます。
いつもは7時に起きる人が9時まで寝ているようだと、普段は睡眠が足りていないと考えられます。
寝ないとどうなる?
まず睡眠不足が続くと疲労が回復できないため、集中力や認知機能、運動機能がどんどん落ちていきます。
2003年に発表されたペンシルベニア大学とワシントン大学において行われた睡眠制限実験では、
通常7~8時間の睡眠が必要な睡眠体質を持つ人を
6時間しか眠らせないという制限を行いました。
わずか2週間後にはなんと「2日間の徹夜を行った人」と同程度にまで低下してしまった
との結果がでています。
さらに恐ろしいのは、本人にはその状態を自覚できていなかったということです。
そう言う状態で働き続ければ、やがて予期していないアクシデントが起こる可能性が高いことは容易に想像できます。
睡眠不足が引き起こす危険
睡眠と健康の関係
睡眠障害はまた生活習慣病の発症に関わっています。
数週間続くと自律神経の乱れから、 高血圧、不整脈が起こりやすくなります。
数ヶ月続くとホルモンバランスの乱れから、 肥満、糖尿病、脂質異常症が起こりやすくなります。
数年続くと精神神経系の異常から、抑うつ、うつ病を発症するリスクが高くなります。
さらに続くとアルツハイマー病など認知機能の低下を引き起こしやすくなると言われています。
慢性の経過だと、上記のように徐々に健康が蝕まれていきます。
もし急激な経過を辿るとどうなるでしょうか。
過労死定義
過労死とは、「仕事のしすぎによる勤労者の突然の死」です。
過度な長時間労働や残業を強いられた結果、「脳疾患」や「心不全」などによる急激な体調の悪化に伴う突然死のことを言います。
過労死等防止対策推進法第2条では、
業務における過重な負荷による
・脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡
・精神障害を原因とする自殺による死亡
・これらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう
と定義されています。
過労死 英語で
「過労死」は日本だけの言葉です。
なぜなら働き過ぎで死ぬなんてことは想像の範囲を超えているので、世界にはそんな言葉が存在しないからです。
では、英語で何と表現すれば良いのでしょうか。
実は、過労死は「Karoshi」として、世界でもっとも包括的な辞書であるオックスフォード英語辞典に登録されています。
それも2002年のことだそうです。
つまり、 karoshi はそのまま世界中で通じる言葉になりました。
過労死ライン
現在の労働行政では、過労死ラインは80時間とされています。
月に20日出勤とすると、1日4時間以上の残業つまり1日12時間労働した状態です。
過労死ラインは、健康障害が発症した時に、
健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安です。
健康障害を起こすまでの2~6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、
過労死と判断されやすくなります。
なぜ過労死するまで働いてしまうのか?
「死ぬまで働くなんて理解できない」
「自殺するぐらいならとっとと会社を辞めればいいのに」
もしかしたらあなたはそう思うかも知れません。
私もそう思っていました。
ただ当の本人は会社を辞める判断が出来ないのです。
おそらく考えられる原因は主に二つです。
本人の真面目で責任感の強い性格。
「自分が辞めたら(休んだら)ほかの人に迷惑をかけてしまう」と考え、仕事を断れず、心身がボロボロになるまで頑張ってしまう。
もう一つの原因は、過労に伴う精神障害です。
うつ病になると、正常な判断力が失われてしまい、症状の一つとして自殺したいという気持ち「自殺念慮」が生じてもおかしくありません。
そして、すでに冷静な判断ができない状態になると、
本人は変だ、おかしい、と思っていても辞めるという選択肢すら浮かばないようです。
新たな行動を起こすだけの気力もなくなり、ただただ言われた通り働き続ける。
目の前の仕事をこなそうとする。
本人は八方ふさがりで、どうしようもなく、ただ前へ進むしかなくなり、最悪の結果を迎えてしまう。
本人が判断出来ない時は、出来たら周りの方が気づいてあげて、
多少無理をしてでも止めるしかない。
本来であれば、上司がSTOPをかけなければいけない立場でしょうが、残念ながら日本の会社、広く言えば日本の社会にはそういう認識がない。
逆に上司がどんどん追い込んでしまい、本人は行き場を失ってしまうのが現実です。
電通しかり、NHKしかり、あのトヨタですら過労死を生んでしまう。
退職代行Jobsが提供するサービスの案内まず睡眠時間を確保まとめ
睡眠時間を削ってまで働くのは異常なことです。
1日2日なら仕方のない状況もあるかも知れません。
慢性的に睡眠不足が続くような状況なら、注意が必要です。
そして、一番の問題は、異常であるという認識が社会に浸透していないことです。
睡眠不足のあなたは、まず睡眠時間を確保しましょう。
追い込まれる前に休みを取りましょう。
年次有給休暇は、法律で定められた労働者に与えられた権利です。
あなたが休んでも会社は回っていきます。
あなたの替わりはいくらでもいます。
あなたの夫や妻、息子、娘がもし少し変だと感じたら休みを取らせてあげて下さい。
本人はきっと大丈夫だと言うでしょう。
でもおかしいと思ったら止めてあげてください。
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