人はよく分からない事に対して不安を感じます。
自分や家族が仮に急病、けがで入院治療した場合、医療費はいくらぐらいかかるのか?
入院したことのある人はだいたいどれくらいか想像できると思いますが、
入院経験が無ければ見当がつかない人がほとんどでしょう。
もちろん個々の状況や病気によって大きく変わってくると思いますが、
大雑把にシミュレーションしてみます。
どんな人でも入院することはあり得ることですし、それに備えておくことは大事ですね。
※今回のシミュレーションでは自己負担3割で試算しています。
入院したらいくらお金がかかるのかしら?
治療費の目安を紹介しますね。
医療費の自己負担割合って何?
現役世代では健康保険の医療費自己負担は3割、
75歳以上の後期高齢者医療制度では1割負担です。
現役並みの所得がある方は3割となります。
全額自己負担となるもの
入院費用の中で、治療や投薬に関する部分は3割負担です。
差額ベッド代や食事代は、全額自己負担となります。
このほか、通院に必要な交通費、保険請求のための書類作成費用、
諸雑費などの費用は実費(自己負担)です。
差額ベッド代
4人部屋に入院すると無料ですが、個室を希望すると
例えば、個室A(7,000円)、個室B(5,000円)、個室C(2,000円)といった具合に
室料(1日あたり)が発生します。
一般的な目安としては1日6,000円ぐらい。
仮に10日間個室を希望すると、6万円が医療費とは別に全額自己負担となります。
食事代
一般病床に入院すると一食あたり460円の食事代がかかります。
仮に10日間入院すると、460円×3食×10日間で13,800円の自己負担額となります。
オムツが必要な方
1ヶ月10,000円~20,000円
※金額はおおよその目安です。患者さんの使用頻度によって金額は異なります。
その他:生活費など
着替えのクリーニング代など、病院内で生活するためのさまざまな費用がかかりますが、
こちらもすべて自己負担することになります。
高額療養費制度って何?
健康保険を使って1ヶ月の医療費が高額となった場合、高額療養費制度が利用できます。
上限額は年齢や収入によって定められていて、その額を超えた分が後で還付されます。
限度額適用認定証
医療機関窓口での支払金額を「自己負担限度額」までとする場合は、
「限度額適用認定証」の提示が必要となります。
年収別の上限額計算式
70歳未満の上限額
所得区分 | 自己負担限度額 |
区分ア(標準報酬月額83万円以上の方) | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% |
区分イ(標準報酬月額53万~79万円の方) | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
区分ウ(標準報酬月額28万~50万円の方) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
区分エ(標準報酬月額26万円以下の方) | 57,600円 |
区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) | 35,400円 |
年収約1160万円~
252,600円+(医療費ー842,000)×1%
年収約770~1,160万円
167,400円+(医療費ー558,000)×1%
年収370~770万円
80,100円+(医療費ー267,000)×1%
~年収370万円
57,600円
住民税非課税
35,400円
仮に医療費:100万 70歳未満、年収370~770万円ではいくら?
- 医療費:100万
- 窓口負担(3割):30万円
- 自己負担限度額:80,100円+(100万ー267,000)×1%=87,430円
- 高額療養費として還付金:30万円ー87,430円=212,570円
窓口で30万円払い、後日(3ヶ月ぐらい経って)21万2,570円が支給され、
実質の自己負担額は8万7,430円になります。
傷病別に見る、平均的な医療費用
医療費100万と聞いても全然イメージがわかないと思うので、
主な病気の入院費用をみてみると
疾患 | 入院費用 |
急性心筋梗塞 | 1,587,714円 |
脳梗塞 | 1,585,249円 |
胃がん(胃の悪性新生物) | 927,614円 |
気管支がんおよび肺がん | 830,708円 |
乳がん(乳房の悪性新生物) | 758,264円 |
肺炎 | 983,520円 |
糖尿病 | 701,279円 |
胃潰瘍 | 567,867円 |
喘息 | 396,286円 |
年度別、重症度別、年代別、性別にさらに詳しく知りたい人はこちらへ
出典:公益社団法人全日本病院協会「医療費」重症度別、急性期グループ年間集計
入院したらいくらお金がかかるの? まとめ
日本では全ての人が健康保険制度に加入しています。
仮に医療費が100万円かかったとしても、公的医療制度を利用することで実質の負担額は
8万7,430円で済むことになります。
年収に応じて自己負担額は変わりますので、自分の場合は上限額がいくらになるのかが
分かればいくらか安心です。
事前に加入している健康保険で「限度額適用認定証」を発行してもらえば、
さらに窓口での金銭的な負担が軽減されます。
最近は、カード決済可能な病院も増えてきたので、手持ちの現金が無いときは助かりますね。
※詳しくは入院先の窓口、各健康保険、市町村の担当部署へお尋ね下さい。
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