
更新日:2025/05/04
50歳を過ぎると気になってくる「帯状疱疹」と「認知症」。
実はこの2つに意外な関係があることをご存知ですか?
最近の研究によって、帯状疱疹ワクチンが認知症の予防につながる可能性があることがわかってきました。
また、令和7年4月から65歳以上の方などを対象に帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まりました。
今回は、帯状疱疹ワクチンについて、その内容をわかりやすく紹介します!
対象となる方はぜひ帯状疱疹ワクチン予防接種をご検討ください。
🎓 帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)によって引き起こされる感染症です。
帯状疱疹は、子どものころにかかった水ぼうそうウイルスが、何十年も体内に潜んだまま再活性化することで、神経に沿って痛みや赤み、水疱をができます。
加齢やストレス、免疫力の低下が引き金となり、80歳までには3人に1人が罹患するとされています。
🧠 認知症との意外なつながり
2024年にイギリス・ウェールズで行われた大規模研究では、帯状疱疹ワクチン(Zostavax)を接種した人は、7年間で認知症を発症する確率が約20%低下したことが報告されました。
詳細はこちら ⇒ A natural experiment on the effect of herpes zoster vaccination on dementia | Nature
また、2025年4月、医学誌『JAMA』に掲載されたオーストラリアの研究により、帯状疱疹ワクチン(Zostavax)の接種が認知症の発症リスクを低下させる可能性が示されました。
詳細はこちら ⇒ Herpes Zoster Vaccination and Dementia Occurrence – PubMed
💡 なぜワクチンに認知症予防効果があるの?
なぜワクチンが認知症を予防するのか、はっきりとした理由は分かっていません。
専門家は、次のような理由が関係していると考えています。
- ウイルス再活性の抑制:ウイルスが脳神経を攻撃するのを防ぐ
- 免疫システムの活性化:脳内の炎症を抑える効果が期待される
- 神経保護作用:ワクチン接種により神経細胞の健康が保たれる可能性
💉 日本での接種状況は?
現在、日本で主に使われている帯状疱疹ワクチンは「シングリックス(Shingrix)」。
50歳以上の方に推奨されており、2回の接種で高い予防効果があるとされています。
費用は医療機関によって異なりますが、1回2万円前後が目安。
※帯状疱疹ワクチンについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
公費補助
2025年4月から公費負担の定期接種となり、
福岡市の場合、対象者、自己負担金額は以下の通り。
■定期接種対象者
(1)令和7年度中に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上となる方
(2)60歳以上65歳未満で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障がいがある方
■生ワクチン:1回につき4,900円(全1回接種)
■組換えワクチン:1回につき12,000円(全2回接種)
予防接種健康被害救済制度
予防接種は、感染症を予防するために重要なものですが、極めてまれに健康被害が起こることがあります。
予防接種法に基づく予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村により給付が行われます。
帯状疱疹ワクチンまとめ
帯状疱疹ワクチンの認知症予防効果について紹介しました。
帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の予防に加え、認知症予防の可能性も期待できます。
病気は罹ってから治療するよりも、予防する方が最良の方法であり、特に50歳以上の人は接種を検討する価値があります。
ワクチン接種には副反応があり、接種前にはかかりつけ医とよく相談の上検討しましょう。
・ブロガー:2021年9月ブログ開設
・趣味:旅行(国内・海外)、食べ歩き、写真撮影
コメント