
更新日:2026/08/28
三菱UFJアセットマネジメントは2026年8月26日、9月下旬から世界の高配当株に投資する投資信託の運用を始めると発表した。
2026年9月30日に新しく設定されるが 「eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)配当払出型/資産成長型」、愛称 「オルカン高配当」 です。
従来の「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」が 「全世界株式に超低コストで長期分散投資する“資産形成の王道”」だとすれば、 オルカン高配当は、“築いた資産をどう活かすか”まで踏み込んだ高配当版オルカンという位置づけです。
本記事では、オルカン高配当の特徴や費用、販売会社などを整理し、投資判断の一助となる情報をまとめています。
オルカン高配当概要
■ファンド名:
- eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)配当払出型(分配金を年4回出す)
- eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)資産成長型
■愛称: オルカン高配当
■運用開始: 2026年9月30日予定
■ベンチマーク:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス高配当利回り指数
(配当込み・円換算ベース)
■投資対象:世界の先進国+新興国の高配当株
単に利回りが高いだけでなく「配当の持続性・成長性」「財務のクオリティ」も考慮した銘柄群
■NISA: 成長投資枠の対象(販売会社によって取扱いは要確認)
■販売会社:
・ SBI証券 ・楽天証券・マネックス証券さらに、配当払出型のみ、三菱UFJアセットマネジメントと共同で投信取引サービスを提供するスマートプラスでも9月30日から取り扱いが始まります。
「全世界×高配当×インデックス」という組み合わせなので、個別高配当株を自分で選ぶ手間をかけずに、世界の高配当銘柄にまとめて乗るイメージです。
オルカンとの違いを一言でいうと?
| 項目 | オルカン(Slim全世界株式) | オルカン高配当 |
|---|---|---|
| 投資対象 | 全世界株式(広く市場全体) | 全世界の高配当株に絞る |
| ベンチマーク | MSCI ACWI | MSCI ACWI 高配当利回り指数 |
| 性格 | 資産形成の“ど真ん中” | 資産形成+資産活用を意識 |
| 分配方針 | 分配抑制(原則無分配) | 「配当払出型」と「資産成長型」の2タイプ |
オルカンは「市場全体に乗る」インデックス。
オルカン高配当は「市場の中でも高配当&クオリティ銘柄に絞る」インデックスです。
オルカンリターン
(2026年7月末時点)
| 6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| リターン(年率) | +23.73% | +29.48% | +23.32% | +19.37% | –% |
2つのタイプ:配当払出型と資産成長型
① 配当払出型(キャッシュフロー重視)
こんな人向け
- 退職後の生活費の一部を投信の分配金で賄いたい
- 自分で「いつ・いくら売却するか」を決めるのが心理的に重い
- 「毎月/毎年、現金が入ってくる安心感」が欲しい
ポイントは、ファンド側の仕組みとして分配金が出ること。
自分で売却ボタンを押さなくても、定期的なキャッシュフローが自動で入ってくるため、「取り崩しの意思決定がストレス」という人には相性が良いです。
ただし、分配金はファンド資産の一部を取り崩しているので、
- 分配金が出る=その分だけ基準価額は下がる
- 再投資しない分、複利効果は弱まる
という点は、理解が必要です。
② 資産成長型(再投資・複利重視)
こんな人向け
- 高配当株が好きだが、分配金よりも長期の資産成長を優先したい
- 世界の高配当株に1本で分散投資したい
- 将来の取り崩しは「必要なときに自分で売却する」スタイルで良い
資産成長型は、基本的に分配を抑制してファンド内で再投資することで、 高配当株のリターンを複利で積み上げていく設計です。
最近は、証券会社が提供する「定額・定率自動取り崩しサービス」を使えば、 “分配金の出ない成長型ファンド+自動取り崩し”で、実質的に年金のようなキャッシュフローを作ることも可能とされています。
「分配金があるファンド=良いファンド」ではない理由
オルカン高配当の資料で、かなり丁寧に書かれているのがここです。
- 分配金は運用成果に“上乗せ”されるものではない
- ファンドの中の資産の一部を取り崩して支払っているだけ
- だから、分配金が出るとその分だけ基準価額は下がる
長期の資産形成を重視するなら、
- 分配を抑制するファンドを持ち続ける
- 必要なときに必要な分だけ自分で売却する
というスタイルの方が、複利を最大限活かせるケースも多い、というのが運用会社のスタンスです。
結論から言えば、長期の資産形成という観点では「分配金型は基本的に不利」です。
分配金はファンドの資産を取り崩して支払われるため、複利の力を弱め、税効率も悪化します。
つまり、「分配金があるから良い」「ないからダメ」ではなく、 自分のライフステージとメンタルに合う“受け取り方”を選ぶことが大事。
どんな人がオルカン高配当を検討するべき
ケース1:オルカンで積み上げてきた人の“次の一手”
- すでにオルカンで数百万円〜数千万円を育ててきた
- そろそろ「資産活用」のフェーズを意識し始めている
- でも、全部を分配金型に切り替えるのは怖い
一部をオルカン高配当(配当払出型)に充てて、生活費の一部を分配金で受け取る という使い方は、かなり現実的な選択肢になりそうです。
ケース2:高配当株が好きだが、個別銘柄は怖い人
- 日本株の高配当銘柄を少し触ったことがある
- 減配・業績悪化・単一国リスクが怖い
- でも「高配当」というコンセプト自体は好き
オルカン高配当なら、 世界中の高配当株に分散しつつ、クオリティや配当の持続性もフィルタリングされた銘柄群にまとめて投資できます。
「個別高配当株の地雷を避けたいけれど、高配当のエッセンスは取り込みたい」 というニーズには、かなりフィットする設計です。
注意しておきたいポイント
① 元本保証ではない
- 通常の株式インデックスファンドと同様、基準価額は上下します。
- 高配当株に絞ることで、セクター偏りやバリュー要素が強くなる可能性もあります。
② 分配金が必ず出るわけではない
- 運用状況によっては、分配金額が変動したり、支払われないこともあります。
- 分配金の一部または全部が、実質的に元本の払戻しに相当する場合もあると明記されています。
③ 手数料・リスクは目論見書で必ず確認
■【オルカン高配当の信託報酬(コスト)】
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 購入時手数料 | なし(ノーロード) | 追加コストゼロで買える |
| 信託報酬 (運用管理費用) | 年率 0.165%(税込)以内 | 毎日ファンドから自動的に差し引かれる |
| 信託財産留保額 (換金時) | なし | 売却時のペナルティなし |
| その他の費用 | 売買委託手数料、監査費用、保管費用など | 他の投信と同様、運用状況で変動 |
オルカン高配当(eMAXIS 高配当全世界株式)の信託報酬は 年率0.165%(税込)以内 です。
これは、同じ指数(MSCI ACWI 高配当利回り指数)を採用する アムンディ・インデックスシリーズと同水準で、「全世界×高配当×インデックス」としては最安クラスです。
信託報酬は長期リターンに直結するため、 高配当インデックスとしては十分に競争力のある水準と言えます。
オルカン高配当まとめ

2026年9月30日設定予定のオルカン高配当を解説しました。
- 全世界×高配当×インデックス
- 配当払出型/資産成長型の2タイプ
- 「資産形成」だけでなく「資産活用」まで視野に入れた設計
という点で、既存のオルカンとは違う役割を担うファンドです。
- 「育てるオルカン(Slim全世界株式)」
- 「活かすオルカン(高配当・配当払出型/成長型)」
この2つをどう組み合わせるかは、あなたの年齢・資産規模・働き方・メンタルにかなり依存するテーマです。
この記事をきっかけに、
「自分はいつ、どのくらいのキャッシュフローを投資から受け取りたいのか?」
一度じっくり考えてみると、オルカン高配当の位置づけがクリアになってくるはずです。





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