
更新日:2026/08/04
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、ここ数年で制度改正が続いているが、2027年からは加入者が負担する管理手数料が引き上げられることが決まった。
背景には、近年の物価上昇や人件費の増加により、制度運営に必要な事務コストが高くなったことがある。
一方で、新NISAは使いやすさと非課税メリットから利用者が急増している。
「iDeCoは始めるべきか、続けるべきなのか」
「NISAとどちらを選ぶべきか」
本記事では手数料改定の全容を解説し、今後どうすべきかを検討する。
「iDeCoとNISA」どっちを選ぶべきか迷っている人の参考になれば幸いです。
iDeCo手数料の仕組みと値上げ内容
| 手数料の種類 | 支払先 | 金額 (2026年まで) | 金額 (2027年〜) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 加入時 | 国民年金基金連合会 | 2,829円 | 変更なし | 加入時のみ発生 |
| ・制度運営費 (拠出中) | 国民年金基金連合会 | 105円/月 | 120円/月 | 2027年から値上げ |
| ・資産保管費 (拠出中) | 信託銀行 | 66円/月 | 変更なし | どの金融機関でも 同額 |
| 運営管理機関 手数料 | 金融機関 | 0〜数百円/月 | 0〜数百円/月 | 無料の金融機関を 選ぶべき |
| 制度運営費 +資産保管費 (拠出停止時) | 国民年金基金連合会+信託銀行 | 年間792円 | 年間792円 | 掛金停止後も発生 |
| 手数料 | 2026年まで | 2027年〜 |
|---|---|---|
| 月額 | 105円 | 120円 |
| 合計 | 2,052円 | 2,232円(+180円) |
iDeCoでは、投資信託の信託報酬とは別に、以下の固定手数料が必ず発生する。
● 加入時
- 2,829円(国民年金基金連合会)
● 掛金拠出中(毎月)
- 国民年金基金連合会:105円 → 120円(2027年〜)
- 信託銀行:66円
- 運営管理機関手数料:金融機関により異なる(無料の会社も多い)
→ 年間2052円 → 2232円へ(+180円)
「180円だけ?」と思うかもしれないが、iDeCoは長期運用が前提。
30年積み立てれば、手数料総額は、約6万7,000円に達する。
さらに、掛金拠出を止めても、運用だけ続ける場合は年間792円の手数料がかかり続ける。
運営管理機関手数料は必ず“無料”を選ぶべき
法律で決まっている手数料はどこで加入しても同じだが、運営管理機関手数料は金融機関ごとに異なる。
無料の主な金融機関は以下。
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行(みらいプロジェクトコース)
- りそな銀行
- みずほ銀行(条件達成で無料)
iDeCoを始めるなら、運営管理機関手数料が無料の SBI証券・楽天証券・松井証券・マネックス証券 を選ぶべきだ。
iDeCoとNISA、どちらが本当におトク?
| 比較ポイント | iDeCo | NISA | 判定 |
|---|---|---|---|
| ① 掛金拠出時の節税 | 掛金が全額所得控除 | 節税なし | iDeCoの勝ち |
| ② 運用益の非課税 | 売却益・分配金が非課税 | 売却益・配当が非課税 | 引き分け |
| ③ 受取時の課税 | 退職所得・雑所得として 課税の可能性あり | 引き出し時も非課税 | NISAの勝ち |
| ④ 引き出しの自由度 | 原則60歳まで 引き出し不可 | いつでも売却・引き出し可能 | NISAの勝ち |
| ⑤ 毎月の固定コスト | 毎月の制度運営費が発生 (年2,232円~) | 管理手数料ゼロ | NISAの勝ち |
① 掛金拠出時の節税 → iDeCoの勝ち
iDeCoは掛金の全額が所得控除となり、所得税・住民税が減る。
NISAには拠出時の節税はない。
② 運用益の非課税 → 引き分け
iDeCoもNISAも、運用益は非課税。
③ 受取時の課税 → NISAの勝ち
NISAは非課税で引き出せる。
iDeCoは退職所得・雑所得として課税される可能性がある。
④ 引き出しの自由度 → NISAの圧勝
iDeCoは原則60歳まで引き出し不可。
NISAはいつでも売却・引き出し可能。
⑤ 毎月の固定手数料 → NISAの勝ち
iDeCoは毎月固定コストが発生。 NISAは管理手数料ゼロ。
総合評価
ここまでの比較をまとめると、
- 使いやすさ → NISAが圧倒的に有利
- 老後資金の専用口座としては → iDeCoが最適
iDeCoは「引き出せない」という制約があるからこそ、老後資金を確実に積み上げられるというメリットがある。
まとめ:iDeCoとNISAは“役割分担”を
iDeCoの手数料値上げを解説しました。
2027年からのiDeCo手数料値上げにより、長期運用のコストは確実に増えます。
しかし、制度の特徴を踏まえると、iDeCoとNISAはどちらか一方ではなく、目的に応じて組み合わせるのが最も合理的です
● 老後資金
→ iDeCoで毎月5,000〜1万円の少額積立
引き出し不可という制約があるからこそ、老後資金を確実に積み上げられるのがiDeCoの強みです。
● ライフイベント・教育資金・予備資金
→ NISAで柔軟に積み立て
必要なときにいつでも引き出せるため、結婚・教育・住宅などのライフイベント資金は、NISAが最適です。
iDeCoもNISAも満額まで入れる必要はありません。
節税メリットを得つつ、手数料負担を抑えるためにも、iDeCoは少額で長期運用し、残りはNISAで運用するのが現実的な最適解となります。





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