
更新日:2025/07/23
氷を無性にポリポリ食べたくなること、ありませんか?
実はそれ、「氷食症(ひょうしょくしょう)」と呼ばれる症状かもしれません。
一見、ただの癖のようにも思えるこの症状。
ですが、背後には鉄欠乏性貧血などの体の異常が隠れていることもあるんです。
氷が無性に食べたくなる人は、ぜひ貧血チェックを。

氷食症って何?

鉄欠乏性貧血の症状として表れることがあるよ。
医療機関を受診してね。
氷食症ってなに?
氷を無性に食べたくなる衝動が続く状態のことを「氷食症」といいます。
夏などの暑い時期に一時的に氷を食べることとは異なり、日常的に大量の氷を食べる行動を指します。
医学的には「異食症」の一種で、本来食べ物ではないものや、普通は食べないものを欲する症状を指します。
● 食べ物ではないものを日常的に食べる行為
● 2歳以上の人が特定のものを1カ月以上続けて摂取する状態
氷だけでなく、
- 土
- 石けん
- チョーク
- 紙
などを食べたくなる異食症もありますが、氷の場合は特に貧血との関連が深いとされています。
氷を食べたくなるのは、なぜ?
氷食症の背景には、次のような理由が考えられます。
✅ 鉄欠乏性貧血
最も多い原因とされているのが鉄不足による鉄欠乏性貧血です。
特に、以下のような人に多く見られます。
- 月経が重い女性
- 妊娠中・授乳中の方
- ダイエットや偏食をしている人
- 成長期の子ども
鉄が不足すると、体内の酸素運搬能力が落ち、疲れやすくなったり集中力が低下します。
このとき、脳が「冷たい氷を食べることで頭がスッキリする」と錯覚することが、氷食症の一因とされています。
氷を食べることで体に悪影響は?
氷自体に栄養はなく、カロリーもゼロ。
ですが、大量に食べる習慣があると、次のような問題が生じます。
- 歯が欠ける・しみる(知覚過敏)
- 内臓が冷えて胃腸に負担がかかる
- 貧血の原因を見落とすリスク
「つい癖で食べちゃう」という人も、体の異変のサインかもしれないと意識することが大切です。
氷食症かな?と思ったら
次のような傾向がある方は、一度病院(内科や婦人科)で血液検査を受けてみることをおすすめします。
- 氷を毎日食べずにいられない
- 氷を食べるとスッキリする感覚がある
- 疲れやすい、息切れする、めまいがする
- 爪が割れやすい・反ってきた
血液検査で、フェリチン値(貯蔵鉄)を調べることで、鉄欠乏の有無がわかります。
治療法は?
原因が鉄欠乏性貧血であれば、鉄剤の内服や食事療法で改善が期待できます。
鉄剤は、錠剤、シロップ、またはカプセルの形があり、通常、1日1回から3回服用。
通常2~3か月で鉄欠乏が改善されますが、鉄不足が完全に改善されるまでは半年程度鉄剤を飲み続けた方が良いとされています。
氷を食べたい欲求も、鉄分が補われると自然に消えていくことが多いです。
鉄の食事摂取基準量

1日の鉄の食事摂取基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人男性で7.5mg、成人女性(月経あり)で10.5mgとされています。
💡鉄を多く含む食品

- レバー
- あさり
- ほうれん草
- 小松菜
- 納豆
- プルーン
吸収率を高めるにはビタミンCと一緒に摂ると効果的です。
ビタミンCは、非ヘム鉄が体内で吸収されやすい形に変わるのを助ける働きがあります。
サプリメント
「病院やクリニックには行きたくない」というのであれば、市販のヘム鉄サプリメントでも効果があるのでお試しください。

氷食症まとめ:貧血チェックを
氷食症をご紹介しました。
氷食症は、ただのクセや嗜好ではなく、貧血という身体からのサインであることが多いです。
「氷がやめられない…」というあなた。
その裏には、あなた自身も気づいていない体のSOSがあるのかもしれません。
「おかしいな」と思ったら、無理せず医療機関を受診しましょう。
・ブロガー:2021年9月ブログ開設
・趣味:旅行(国内・海外)、食べ歩き、写真撮影
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